【IR汚職特集】自民党のパチンコ・IRとの蜜月過ぎる関係をまとめてみました



現職自民党議員の逮捕という大スキャンダルに発展したIR汚職。巨大な利権構造が指摘されていますが、IRと対になって語られるのが日本の誇る巨大ギャンブル、パチンコです。

ネット上では「パチンコは韓国と関係が深く、野党議員が利権に絡んでいるから『桜の会』の時のように騒がない」といった言説を目にすることもありましたが、調べてみるとパチンコに最も深く関わっているのはやはり自民党でした。詳細は以下から。


◆IR汚職容疑と自民党
2019年12月25日、東京地検特捜部がIR参入を目指す中国企業「500ドットコム」から300万円の現金を受け取った、受領収賄容疑で自民党の秋元司議員を逮捕しました。現職の国会議員が逮捕されるのは約10年ぶりの事態です。

疑惑はこれだけに留まらず、秋元議員と共に「500ドットコム」本社を訪問した自民党の白須賀貴樹議員が接待や金銭を受け取った疑惑があるとして事務所にも家宅捜索が入っています。

加えて、本件に絡み贈賄容疑で逮捕された「500ドットコム」元顧問で元沖縄県浦添市議の仲里勝憲容疑者は、同じ時期に他に5人の国会議員に対して「100万円ずつ資金提供した」などと供述しています。


これを受けて自民党の岩屋毅前防衛大臣、自民党の宮崎政久法務省政務官、自民党の中村裕之議員、自民党の船橋利実議員、日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当大臣が任意聴取されています。

ここまで名前が出た7議員全員が国際観光産業振興議員連盟(通称:IR議連)に参加しており、岩屋毅前防衛相も幹事長を務めている他、中村裕之法務省政務官は現在の事務局次長、下地幹郎元郵政民営化担当大臣も幹部だったことが判明しています。

◆IR議連とはどんな存在なのか
IR議連こと国際観光産業振興議員連盟は2010年4月14日に参加者74人で発足した超党派議連。設立総会では会長に民主党(当時)の古賀一成議員、会長代行に自民党の岩屋毅議員が選出されており、岩屋前防衛相のIRへの関わりの深さが垣間見られます。

発足当時は民主党議員がトップでしたが、現在は224人の参加議員をまとめる会長には清和政策研究会の会長でもある自民党の細田博之元官房長官が就き、所属議員も大部分が自民党議員となっています。

安倍首相も一時期このIR議連の最高顧問を務めていましたが、2014年に共産党の大門実紀史議員から「多重債務問題や依存症対策、青少年の健全育成などの総責任者である首相がカジノ議連にいることはふさわしくない」と追求され、ご指摘はごもっともなので、最高顧問をやめさせていただくと答弁して退会しています。

東スポはIR議連について、IR推進派関係者のIR推進派関係者議連が発足したのは2010年の民主党政権下でトップも民主党議員だった。今じゃすっかり自民党議員ばかりになってしまった。利権好きの自民党に任したからこんなことになったとのコメントを掲載しています。


なお、IR議連はカジノ議連とも呼ばれ、カジノを中心としてホテルや劇場、国際会議場にショッピングモールなどが集まった統合型リゾート(Integrated Resort)の設立、そのためのカジノ合法化を目指す議連だと考えられがちですが、それだけには留まりません。

2010年4月13日には設立を目前に控えたIR議連が、警察の裁量で換金が事実上認められているパチンコをカジノ法案と同じ仕組みで立法化していく方針を固めています


IR議連は客離れの加速に比例してギャンブル性の高い台の導入が進むパチンコ、も国や地方公共団体が管理、監督することで「健全な庶民の娯楽の場」として再生を図りたいとしていることを産経新聞が報じています。

IR議連がカジノとパチンコ、両方を推進する議連である事がご理解いただけたでしょうか。

◆パチンコ業界と自民党の深い関係
さてIR議連とパチンコの繋がりを確認したところで、自民党とパチンコ業界の繋がりを見ていきましょう。


まず忘れてはいけないのが秋元司議員が逮捕された翌日、大手パチンコチェーンのガイア本社に家宅捜索が入りました。ガイアは秋元議員の元政策秘書の設立したATエンタープライズ社に対して2017年10月から2019年の11月まで月額で計40万円を顧問料として支払ってきたとのこと。

このようにパチンコ業界との繋がりを持っているのは秋元議員だけではありません。業界2位のダイナム主導する業界団体「パチンコチェーンストア協会」の政治分野アドバイザーには逮捕された秋元議員を含めて(現在は削除済)多くの国会議員が名前を連ねています


その中でも自民党議員は22人と突出して多く、今回疑惑の対象となった岩屋前防衛相(現在は削除済)白須賀貴樹議員をはじめ、IR議連副会長の竹本直一議員、同副幹事長の葉梨康弘議員、同事務局次長の大家敏志議員、山本有二議員、野田聖子議員、鈴木貴子議員らIR議連所属議員が就任しています。


加えて日本維新の会からは7名。IR議連事務局次長の馬場伸幸維新の会幹事長に同事務局次長の浦野靖人議員も就任しています。国民民主党は7名でIR議連副会長の羽田雄一郎議員も就任です。なお、立憲民主党からは4名が就任。

ということで、民主党時代に設立されたものの、現在自民党がIR議連の最大勢力となっており、そのIR議連はカジノのみならずパチンコとも深い関係にあります。

自民党とIR・パチンコにこれだけ深い関係がある以上、中国企業からの収賄という今回のIR疑惑はこれだけで収まりそうにはありません。

パチンコ滅亡論
パチンコ滅亡論
posted with amazlet at 20.01.06
大崎 一万発 ヒロシ・ヤング
扶桑社 (2019-12-20)
売り上げランキング: 422

カジノ幻想 ~「日本経済が成長する」という嘘~ (ベスト新書)
ベストセラーズ (2015-06-12)
売り上げランキング: 69,581

・関連記事
国民の7割が反対するカジノ法案、18時間の審議で強行採決 | Your News Online

日本政府、カジノの入場料2000円取ればギャンブル依存症を防止できると誤認 | Your News Online

大阪のカジノ予定地の夢洲を「個人情報ダダ漏れ特区」指定へ、関西経済同友会が提言 | Your News Online