緊急事態宣言で首都圏の鉄道各社に「通常時の半分」までの減便を要請、「三密」状態維持へ



緊急事態宣言で通勤客が減るはずでしたが、これでは密閉、密集、密接の三密が維持されることになりそうです。詳細は以下から。


政府が新型コロナウイルス感染症の拡大対策として4月7日にも発令する見込みの緊急事態宣言に伴い、首都圏を中心とした対象区域で鉄道各社に減便要請を検討していることが分かりました。

この対象は在来線に加えて新幹線にも及ぶ見通しで、当面は平日も土日・祝日のダイヤを運用し、終電の繰り上げも検討。これにとどまらず、最終的に通常の半分程度にまで減らすことも想定しているとのこと。

ですが首都圏などの通勤列車はクラスターが発生しやすい「密閉空間、密集場所、密接場面」の3条件がそろう「三密」状態であることが実際の利用者らからは繰り返し指摘されてきています。


新型コロナ特措法での緊急事態宣言では、外出自粛要請には強制力も罰則もないため武漢や欧米のようなロックダウンは行われず、生活必需品の買い出しや、仕事のための通勤もこれまでどおり制限されません

また厚生労働省のLINEを用いた調査では、テレワークを実施しているのは5%程度にとどまっており、緊急事態宣言発令以降も大勢の社会人らが通勤列車で出社することが考えられます。

多少は在宅勤務者が増えるとはいえ、こうした状況下での減便は通勤ラッシュの混雑をさらに助長する結果につながります。車内はいうまでもなく駅構内での待ち時間も増え、「三密」状態の空間に滞在する時間が増加するのは間違いありません。


そうなればより濃縮された「三密」状態での通勤でウイルスが居住地に持ち帰られ、より広範囲でのオーバーシュートを引き起こす可能性も。減便をするのであれば徹底的な通勤の自粛要請と、それに伴う損失の補填が必須となりそうです。

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