果たして20回の洗濯に耐えられるクオリティなのか、不安が残ります。詳細は以下から。
◆布マスクは20回洗濯を
新型コロナウイルスの感染防止策の目玉のひとつとして、国民の全世帯に配布されることになった「1世帯当たり2枚の布マスク」。国内はもちろん海外でも「アベノマスク」と呼ばれるほど有名となったこの対策には、当初ささやかれていた200億円の倍以上となる郵送費込み466億円の経費が掛けられます
その内訳は2020年度の予備費から233億円、さらに同年度補正予算で233億円を計上する方針となっており、緊急事態宣言が出ている東京都などから近く配布を始める予定とのこと。
この「布マスク2枚」について、菅官房長官は4月9日の記者会見で「布マスク1億枚が洗濯をしながら平均20回使われたとすれば、使い捨てのマスク20億枚分の消費を抑制することになる。これは平常時のマスク需要の4、5ヶ月分にあたる」と説明。
これにより、政府が配布する「布マスク2枚」を平均20回洗濯しての再利用を想定していることが判明しました。配布されるマスクが国会で安倍首相が着用していた小さな布マスクと同形だとすれば、それだけの洗濯に耐えられるか不安が残ります。
なお、これによって「使い捨てのマスク20億枚分の消費抑制」し、「平常時のマスク需要の4、5ヶ月分にあたる」としていますが、パンデミック中の現在は平常時ではないため、1億人が毎日洗濯しながら再利用すると3週間分程度にしかなりません。
◆代替手段は本当にないのか
また、菅官房長官は使い捨てマスクの品薄費用対効果という観点から「代替できる手段はないと考えられる」と強調。
マスク供給について菅官房長官は2月21日の会見で3月には「月産6億枚」を超える規模に供給力拡大を図るとし、3月27日の会見では4月に「月産7億枚」の供給が可能となると述べていました。
ですがもちろんご存じのように、マスクの品薄は全国的に全く解消されておらず、医療機関でも厚労省が「N95マスクの再利用」を呼び掛けるほどの緊急事態に陥っています。
一方、生活用品メーカーのアイリスオーヤマは国内の工場に約10億円をかけて設備を導入し、マスク月6000万枚を生産する体制を整えました。稼働は6月を目指すとしているとのこと。
またおむつ製造機を作る瑞光はマスク製造機の「優先製造」の方針を示しており、こちらは税抜きで1台約2億円程度。すでに受注した1機は過去最速の1ヶ月半で完成させています。
466億円をこのようなマスクや製造機を生産する企業への支援に使って生産を増加させれば、一度限りの配布にとどまらず継続的にマスクを供給できることになります。
そもそも布マスクは新型コロナを防ぐことはできず、咳やくしゃみでの飛沫を拡散させないためと、手で顔を直接触らないようにする程度の効果しかありません。であれば、緊急事態宣言が出された以上、自宅待機要請を徹底した上でマスクの継続供給量を拡大させた方がより合理的と言えます。
新型コロナのパンデミックは今後1~2ヶ月程度で終息する見込みはないため、より中長期的な戦略に基づいた手段を選択する必要がありそうです。
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