3年前には3割にも満たなかった自民党支持層の夫婦別姓賛成派が過半数を超えました。詳細は以下から。
◆自民党支持者の夫婦別姓への賛成が増加し、候補者とのずれが拡大
朝日新聞社と東京大学の谷口将紀研究室が2020年3~4月に実施した共同調査によって、自民党支持層の間で夫婦別姓や同性婚に賛成する意見が広がり、夫婦別姓については過半数を超えました。
調査対象は無作為で選んだ全国の有権者3000人で、3月4日に調査票を発送し、4月13日までに届いた有効回答は2053人(回収率68%)でした。
自民党はこれまでかたくなに夫婦別姓に反対してきており、2020年1月22日には「LGBTは生産性がない」などの発言でおなじみの自民党・杉田水脈議員が「1つの姓にしないんだったら、結婚しなくていいじゃないか」とヤジを飛ばして大きな問題となったばかり。
回答者全体では夫婦別姓への賛成が57%で中立が25%。反対が17%と過半数が賛成となっています。これに対して自民党支持者は賛成が54%で中立は25%、反対は21%です。
ほとんど差が見られませんが、実は2017年衆院選時の調査では自民党支持者の夫婦別姓への賛成は29%に過ぎず、この3年の間に25%も増えて過半数を超えるに至ったことになります。
なお2017年での中立は39%で今よりも14%多く、反対は32%で11%多かったことになり、確実に自民党支持者の中で夫婦別姓への容認が広がっています。
一方で2019年の参院選時の候補者に対する調査では、自民党の候補者の夫婦別姓への賛成は19%にとどまっています。その他の党の候補の賛成は8割以上に上っており、自民党の体質が浮き彫りに。今回の調査では、自民党内のこうした結婚観が支持者とも大きくずれ始めていることが明らかになりました。
ただし実際には、自民党内でも徐々にではありますが夫婦別姓への賛意も拡大しているもようです。
2月14日に国会内で開かれた選択的夫婦別姓を考える超党派勉強会では、野党の党首らに並んで野田聖子元総務大臣など4人の自民党議員も参加し「自民党内にも賛成する意見は多い」などと訴えています。
◆同性婚も14ポイント増加で46%が賛成へ
この調査では同性婚への賛成も2017年から14ポイント増加して46%と過半数に近づいていることも判明。自民党支持者でも41%が賛成しており、これは17ポイントの増加で全体の増加率よりも大きなものとなっています。
ただし自民党候補の同性婚への賛成は2017年、2019年のいずれでも9%と1割を切っており、維新の29%、その他の主要政党の過半数が賛成していることを考えると、意識のずれが大きいことが分かります。
支持者らの声が自民党の体質を変えることになるのでしょうか。
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