新型コロナウイルスに対して迷走を続けてきたアメリカ合衆国のトランプ政権。ですが誰よりも新型コロナを恐れていたのは実はトランプ大統領その人だったのかもしれません。詳細は以下から。
◆トランプ大統領が「アメリカで最も新型コロナ検査している男」に
アメリカ合衆国のケイリー・マケナニーホワイトハウス報道官が、トランプ大統領が1日に複数回にわたって新型コロナの検査を行っていることを明らかにしました。
マケナニー報道官によると「トランプ大統領はアメリカ合衆国で最も新型コロナ検査を受けている人物だ」とのこと。
White House press sec. Kayleigh McEnany says Pres. Trump is tested for COVID-19 multiple times a day: "The president is the most tested man in America." https://t.co/wh3Cz9IJqK pic.twitter.com/cTqkPK5Gvq
— This Week (@ThisWeekABC) July 21, 2020
◆迷走を続けてきたトランプ大統領の新型コロナ対策
トランプ大統領はこれまで新型コロナが「奇跡のように消える」と軽視し、マスクも長く着用してきませんでした。
ですがトランプ大統領の支持者らがマスク不着用の権利を訴え、その後感染率が高まるに至って自らマスクを着用。「ソーシャル・ディスタンスが取れない場合、マスクをするのは愛国的だ」と発言を翻しました。
またトランプ大統領はアメリカ合衆国での新型コロナの致死率が「世界最低レベル」であるなどと吹聴してきていました。
これに保守系ニュースとして名高いFOXニュースの重鎮クリス・ウォレス氏がデータを挙げた上でこれに反論した際には「フェイクニュース」だと逆ギレしています。
ウォレス氏が再度ジョンズ・ホプキンズ大学の分析をもとに「アメリカの死亡率は世界で7番目に高く、たった1日で900人が死んでいる」と再反論した際にも「君はアメリカの致死率が世界最悪だと言うが、アメリカの致死率は世界で一番ましだ」などとさらにキレ散らかす始末。
ですが7月21日になって突然「状況は良くなる前におそらく悪くなる。言いたくないがこれが現実だ」と弱気な発言を始めています。
加えて新型コロナを「中国ウイルス」と呼んで中国の初期対応の悪さを攻撃してきましたが、同じ21日に国内向けのワクチンで中国と協力について問われた際には「われわれに良い結果をもたらしてくれるなら、誰とでも協力したい考えだ」と手のひらを反すなど、終始ちぐはぐな対応が続いてきました。
もちろんこれらは11月のアメリカ合衆国大統領選挙のための支持固めの一環として見ることが可能です。
新型コロナよりも経済を前のめりで優先し、経済戦争の相手国である中国を非難し、マスクを付けずマッチョな姿勢を示すことは、これまでのトランプ支持層へのウケを狙ったものであることはこれまでも各所で指摘されています。
ですが、ふたを開けてみれば実はトランプ大統領が誰よりも新型コロナに敏感になり、国で一番新型コロナの検査を受けていたということに。この事実、支持者にはどのように受け止められることになるのでしょうか。
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