「リツイートの仕様」による写真のトリミングも著作者人格権侵害と最高裁判決、発信者情報開示へ



無断で使われた写真だと知らずにリツイートし、写真が「リツイート時の仕様」によってトリミングされてもアウトという最高裁判決が出ました。詳細は以下から。


自分の写真を無断でツイッターに掲載され、その際にツイッターの仕様によって写真がトリミングされて著作人格権が侵害されたとした北海道の写真家が、掲載だけでなくリツイートでも権利侵害に当たるとし、特定のための発信者情報開示を求めた訴訟の上告審判決が7月21日、出されました。

最高裁第3小法廷の戸倉三郎裁判長はツイッター社側の上告を棄却し、リツイートしたユーザーのメールアドレスを開示するよう命じた2018年4月の2審・知財高裁判決が確定しました。

◆最高裁判決で何がNGとされたのか
この問題、経緯が少しわかりにくいため順を追って説明してみましょう。まず、この写真家の男性は自分が撮影したスズランの写真を自らのサイトに掲載。2014~15年に2人のツイッターユーザーががそれぞれ写真を無断でツイートし、さらに別の3人がリツイートしていました。

この際ツイートされた写真はツイッターの画像表示の仕様によってトリミングされ、元写真にあった著作者名表記が削られていました。これを受けて男性が2015年3月にツイートしたユーザーに加えてリツイートしたユーザーにも権利を侵害されたとして提訴しました。

今回の最高裁ではリツイートによって生じる画像トリミングが権利侵害に当たるかどうかが争われていましたが、「たとえリツイートの仕様だったとしても著作者の権利侵害に当たり、発信者情報が開示される」ことが最高裁判決として確定したことになります。

ツイッターには日々多くの画像がアップされていますが、その中には他人の写真を無断使用しているものも存在しています。ぱっと見で奇麗だからとそうした画像をリツイートした場合、意識せずとも今回のようなケースに巻き込まれる危険があることになります。

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