老朽化した全国の橋の2/3が「財源や人手不足のため」要修繕ながら放置されていた



さすがにオリンピックに大金をつぎ込んでいる場合ではなさそうに見えますが…。詳細は以下から。


国土交通省道路局がの9月17日の発表した道路メンテナンス年報によると、2014~18年度の5年間に老朽化などで修繕が必要と判定された全国の道路橋約6万9000ヶ所のうち、64%が2019年度末時点で未着手でした。

2014年に発生した笹子トンネル天井板落下事故の後、国と自治体は全国の道路を順次点検実施を決め、2018年度に1巡目を終了していました。ここで落橋や壁の崩落などの恐れのある「緊急措置段階」や「早期措置段階」と判定されれた場合は5年以内の修繕が求められます。

要修繕となった橋6万8838カ所のうち、2019年度末までに修繕を開始できていない橋は4万3901ヶ所でとなっています。加えてトンネルは4417ヶ所のうち44%の1936ヶ所が、また歩道橋など道路付属物は6084ヶ所のうち62%の3744ヶ所%が未着手のまま放置されています。

特に14年度の点検で危険判定の出た橋は18年度までの修繕着手を求められていましたが、19年度末時点でも国が管理するものはほぼ着手済みの一方、自治体管理では52%にとどまっています。


これは自治体の財源や人手が不足しているケースが多いためで、国は財政支援を行うなどして対応を促すとのこと。詳しい状況は「道路メンテナンス年報」の44ページを参照してみてください。

橋は道路の中でも極めて重要な役割を持ち、国によっては戦略上の重要地形として扱われます。災害対策の面でも、橋が落ちれば迂回には多くの手間と時間が掛かるため、最優先で修繕を行わなければならないインフラのはず。


その中でも県道や市道といった自治体の管理する道路は、全国的な交通ネットワークを構築する国道とは別に、地域の生活の根幹をなしている場合が少なくありません。

日本人の生活のインフラが財源不足や人材不足で直されることなく放置されている現状は極めて危険。「失われた30年」の間、気付かぬうちに私たちの足元までもが崩れ始めていると言えるかもしれません。この状態で本当に東京オリンピックに3兆円もつぎ込んでいいのでしょうか…。

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