「Qアノン」をFacebookが完全排除、トランプ大統領を「救世主」と崇める極右トンデモ陰謀論者集団

ようやくあの「Qアノン」への対策が取られました。詳細は以下から。

Facebookが狂信的陰謀論者集団「Qアノン」に関連するFacebookアカウント、ページ、グループ、Instagramアカウントをすべて完全排除することをアナウンスしました。

これによってQアノンに関係する1500のページとグループがすでに削除されています。Facebookは今後も排除を進めるとのことで、暴力的な内容を含まなかったとしても排除する方針です。

◆「Qアノン」とは何者か
世にはびこる陰謀論には限りがありませんが、その最新のトレンドとしてアメリカ合衆国を中心に広がっているのがQアノンと呼ばれる狂信者集団です。

この陰謀論は2017年10月、「2ちゃんねる」の英語版とも呼べる匿名掲示板「4chan」に「Q」と名乗る匿名ユーザーが連投した他愛のないデマが発端。

そのデマは「米民主党を中心とした政財界やマスコミ、ハリウッドスターなどのエスタブリッシュメント層の中に世界を影で操る勢力「ディープステート（国家内国家）」が存在しており、そうした勢力は悪魔崇拝のペドフィリア（小児性愛者）で、子供の人身売買してカニバリズム（人肉食）にも手を染めている」という荒唐無稽を絵に描いたような内容です。

そして極めつけは「ディープステートに対してトランプ大統領が秘密の戦争を繰り広げており、この世界を救えるのは唯一トランプ大統領に他ならない」というオウム真理教もびっくりなもの。

ですが、この一笑に付す以外あり得ない陰謀論は新型コロナのパンデミックと共に拡散し、ヨーロッパや日本にも上陸するほど勢力を伸ばしています。

新型コロナに関してささやかれる「パンデミックはビル・ゲイツらが仕組んだもので、人工ウイルスで世界人口を制御し、人類を支配しようとしている」といったようなデマもQアノンは積極的に流布しています。

問題はトランプ大統領もこのQアノンを認識しており、劣勢に立たされている選挙戦の中で支援勢力として激励の言葉を掛けていること。

大統領選と同時に行われる連邦議会選挙には数十人の「Qアノン」が出馬しており、共和党予備選でQアノンの実業家マージョリー・グリーンが勝利した際にトランプ大統領は「おめでとう、未来の共和党のスター」とツイッターで祝福しています。

Qアノンはトランプ大統領から見れば、荒唐無稽なデマでも信じ込んで自分のために粉骨砕身してくれる都合のいい私兵の群れとなります。「Qアノン」が敵とみなした人物へのオンライン上での誹謗中傷はすでに常套手段。

加えて2016年には陰謀論を信じ込んで「誘拐された子供を救おう」とピザ屋に押し入り発砲した事件があったり、2018年には、大量の武器を装備した男がアメリカ中西部のフーバー・ダムにかかる橋を占拠したりもしており、極めて危険な存在となっています。

明確な教祖や教義もないままに扇情的なデマに踊らされ、ある種「カルト化」しているQアノンですが、今後とも十分に注視し、早期に対応する必要がありそうです。

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