不要不急の法案が緊急事態宣言のどさくさに紛れて提出されることになりました。詳細は以下から。
◆「日の丸」損壊・汚損で懲役2年か罰金20万円へ、なぜかこのコロナ禍で法案提出
自民党の保守系有志議員らによる「保守団結の会」の高市早苗前総務相らは1月26日、日の丸を傷つける行為を罰する国旗損壊罪を新設する刑法改正案を今国会に提出するよう下村博文政調会長に要請しました。
この改正案では日本を侮辱する目的で日の丸を損壊・除去・汚損した場合、2年以下の懲役または20万円以下の罰金を科すとしています。
これに対し下村氏は「必要な法改正だ」と応じ、今後、各党に共同提案を呼び掛けて法改正を検討する考えを示しました。
自民党は2012年の野党時代、同趣旨の改正案を提出したものの衆院解散で廃案になっており、9年ぶりにコロナ禍の真っただ中で復活となりました。
高市氏は記者団に対し「日本の名誉を守るのは究極の使命の1つで、外国の国旗損壊と日本の国旗損壊を同等の刑罰でしっかりと対応することが重要だ。改正案を今の国会に提出したい」と述べています。
新型コロナのせいで大勢の国民が目の前で仕事を失って困窮し、医療をまともに受けられずに自宅で死んでいく人もいる中で、国民の命ではなく「日本の名誉」を守ることを「究極の使命」と呼ぶ辺り、新たな火種となる可能性もありそうです。
◆選択的夫婦別姓に賛成する稲田朋美に失望した議員らが作った「保守団結の会」
なお、この「保守団結の会」は25日自2020年6月25日、自民党の稲田朋美幹事長代行が会長の保守系「伝統と創造の会」メンバーらが分裂してつくったもの。
選択的夫婦別姓に賛成し、女性や弱者に寄り添う政策発信を強める稲田氏に不満を持つ伝統的な家族観を重視する高鳥修一筆頭副幹事長や赤池誠章参院議員ら43人によって結成しました。
同日の設立総会では憲法改正や伝統的な家族制度の堅持などの活動方針を確認。代表世話人の高鳥氏は「日本らしい日本の保守主義を政治理念とし、この国難にあたり、生ある限り祖国に尽くす」とあいさつしています。
また総会後にはジャーナリストの櫻井よしこ氏が講演するなど、極めて「保守色」の強い団体であることが分かります。
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