ではいったい署名偽造を事務局の誰の指示でやったのか、そのための金と名簿、ノウハウはどこから出てきたのかという段階に入っています。詳細は以下から。
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大村知事リコール運動で発見された全体の83%に及ぶ30万筆を超える「不正署名」、実際には大量のバイトが書き写した「偽造署名」だったことが判明しました。
民意によって選挙で選ばれた首長を偽造した署名によるリコールで引きずりおろそうという、文字通り民主主義を根底から破壊する極めて悪質な挑戦と呼ばざるを得ない犯罪行為に事務局が関与していたことが明らかになっています。
◆「九州でつくられた」事務局が偽造署名の存在認識していたことが判明
この事実が明らかになったのは、維新の会愛知県第5区選挙区支部長で日本維新の会から次期衆院選への立候補を予定しているリコール事務局の田中孝博事務局長が2月16日に開いた記者会見での一問一答の中でのこと。
記者が署名偽造のためにアルバイトが動員されたいた件について調査したのかと質問したところ、田中事務局長は
署名簿がつくられたのは確認している。九州の方でつくられたとも聞いているので、佐賀県内で間違いないと思う。
と回答。誰から聞いたかという問いには
事務局ではない、活動の関係者。九州でつくられた署名簿は、印鑑を押していないなど使い物にならなかったと聞いている。
として、事務局外の関係者が九州で偽造署名をつくっていたことを事務局トップが認識していたことを認めてしまいました。
当然ながら署名はつくるものではなく集めるもの。そして愛知県内で正式に集めたもの以外は印鑑が押してあろうとなかろうと無効であり、「使い物」になるはずもありません。
また署名偽造の理由として「妨害で紛れ込ませる意図があったのかもしれない」との憶測を述べていますが、偽造がなければせいぜい7万筆程度で大失敗していたリコール運動に、重大な組織犯罪まで犯して妨害を行う理由はまったくありません。
◆事務局メンバーが署名偽造を発注し、名簿を持ち込んで立ち合っていた
また、田中事務局長は「指示をしていないし、責任はない」と事務局の関与を否定していますが、中日新聞は「リコール活動団体の事務局メンバーが、名簿を大量に書き写させるため『人をとにかく集めてくれ』と、業者にアルバイトの募集を依頼していた」ことを明らかにしています。
これを受けて、リコール運動を支援する広告関連会社からリコール関連のはがき配布を請け負っていた下請け会社が求人サイトを通じてアルバイトを動員し署名偽造を実施。この場に別の事務局メンバーが名簿とリコール署名簿を運び込んで書き写しにも立ち会っています。
つまり、田中事務局長が記者会見の「指示をしていないし、責任はない」は大ウソだったことになり、田中事務局長には事務局トップとしての責任が当然発生します。
なお、当然ですがこの際に持ち込まれた名簿はどこから出たどのようなものだったのかの究明も必須。署名には既に死亡した人の名前もあったことから、古い選挙人名簿や各種団体の名簿が悪用された可能性が指摘されていましたが、収拾した個人情報の犯罪利用という、これ単体でも極めて悪質な違法行為となります。
◆偽造署名はつくられた後どうなっていたのか
では、これらの偽造署名がつくられた後にどうなっていたのでしょうか。調べてみると興味深いことが分かります。
まず、この不正署名が発覚したのは11月4日のこと。受任者として集まった署名を提出する作業を手伝っていた受任者のひとりが同一人物とみられる筆跡があることを発見しました。
この日前後の経緯についてはFacebookに受任者だった人物が詳細に記しており、偽造署名が紛れ込まされたのは11月4日朝の選管に届ける前の最後の仕分け作業以前であることが明らかにされています。
さて、それではこの仕分け作業前には署名簿はどこにあったのでしょうか。これに関しては高須院長が「必死に探ってもムダ」な場所に「安全に保管」されていることをツイート。ここには高須院長の別荘の画像まで添付されています。
加えて「まもなく僕とともに署名簿が姿をあらわします」「ギリギリまで保管し、衆人環視のもとに開票して数を確認してその場で選挙管理委員会に届けます」ともしており、高須院長本人が署名簿の保管に深く関わっていることを公言しています。
これらのツイートはいずれも署名偽造が行われていた10月下旬のもの。つまり、この時期から偽造署名の紛れ込みが発覚する11月4日までの間、高須院長ら一握りのリコール運動の関係者が署名簿を「安全に保管」していたことになります。
お分かりでしょうか?「必死に探ってもムダな場所に安全に保管」していたはずの署名簿に、自分たちの集めた署名の4倍以上にも及ぶ、段ボール40~45箱分に相当する偽造署名が紛れ込まされていたことになるのです。
署名偽造が行われた時期(10月)と発覚したタイミング(11月4日)を考えれば、ボランティアらの衆目を離れたこの保管期間中に偽造署名が紛れ込まされたことは明らか。また、この保管場所が秘密にされている以上、関与した人物は高須院長以下、極めて限られることになります。
そう考えるとリコール運動中止宣言前日の11月6日のこちらのツイートの意味合いもなかなか味わい深いものに。
一体誰が保管場所を知っていたのか、偽造署名を紛れ込ませることができたのは誰だったのか。実は真相に一番近い場所にいるのは高須院長なのかもしれません。
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