人と人の距離を開けただけでは新型コロナの感染を防げないことが示されました。
もちろん「意味ないなら三密でもいい」というわけではまったくなく、マスクなどのさらに強力な対策が必要になります。詳細は以下から。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)のMartin Z. Bazant化学工学教授らの、新型コロナ感染拡大対策としての「ソーシャルディスタンス」にはほぼ効果がないとする論文が大きな注目を集めています。
その理由としては、新型コロナの主要な感染経路がウイルスを含んだエアロゾルであること。エアロゾルの一部はミクロン単位の極小の飛沫として空気に混じり、室内では長時間浮遊し続けます。
こうした極小の飛沫はくしゃみやせきで飛ぶ大きな飛沫を想定した目安の1.8m以上を簡単に浮遊するため、室内では他人と距離を開けても感染予防にはならないとのこと。
これはタバコや蚊取り線香などの煙が床に落ちることなく空気中を漂い続けることをイメージすると分かりやすいでしょうか。
論文ではアメリカでの2時間半の合唱練習で61人中53人が感染した事例や、中国での2時間のバス旅行で68人中23人が感染した事例を挙げていますが、それぞれの立ち位置・着席位置と感染への関連は見られなかったとのこと。
つまり、ミクロン単位のエアロゾルは煙のように空気に混じるため、室内であれば距離や位置は関係ないことになります。
こうしたエアロゾルが排出されるのはしっかりした換気によるしかありません。なお、すでに日本でも「マスクは他人に感染させないためのもの」と周知されているように、エアロゾルはマスクを通り抜けて体内に侵入するため、マスクでも感染予防にはなりません。
ということで、室内では「ソーシャルディスタンスを保てば安全」でははなく、換気をしっかりした上でせきやくしゃみ、会話などの際には各自がマスクをしていなければ感染予防にはならないということ。
アクリルのついたてやフェイスガードでもエアロゾルは防げないため、あくまでそれぞれのマスクは必須。やはり複数人数でのおしゃべりや「会食」は控えなければならないことになります。
感染原因は人との距離ではなく、口から出るエアロゾルだという事実をもう一度頭に叩き込んでおく必要がありそうです。
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