米国務省「日本への渡航中止・退避勧告」はどれほど深刻か、原文に当たってみました



米国務省が新型コロナの感染状況を理由に、日本への渡航警戒レベルを最も厳しいレベル4に引き上げました。

実際にこのレベル4がどれほど深刻なのか、公式の記述に当たってみました。詳細は以下から。


今回のアメリカ合衆国の渡航警戒レベル変更はTravel.State.Govの「Japan Travel Advisory」に掲載されたもの。国務省は5月24日に日本を最も厳しいレベル4の「Do Not Travel」に指定しました。


理由として、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が日本国内での極めて高レベルの新型コロナの感染状況を受けて指定したと明記。入国の際にアメリカ人に影響する規制が敷かれていると指摘しています。

このレベル4は「Safety and Security Messaging」ページの説明では最大の警戒レベルで、生命に関わる大きな危険がある際に出されるものです。


非常事態下で政府は限定的な援助しかできないとし、国務省はアメリカ市民に渡航を中止するか、安全に退避可能なら速やかに退避するよう忠告。また状況はいつでも変化し得るとしています。

また今回のリスク内容には「Health(健康)」が挙げられ、これに現地での疫病の感染拡大と医療崩壊が含まれることが明記されています。


それでも日本に渡航する人には、米国発の情報をフォローし、病人を避け目や口を触らず、手洗い励行という一般的な対策の他、不測の事態への対応策を準備するよう呼び掛けています。


東京オリンピックを2ヶ月後に控え、渡航警戒レベル最大への引上げは非常に重いものとなります。

なお同日には、グテーレス国連事務総長の世界保健総会の開会式での「我々はウイルスと戦争をしているんだ。戦時体制の論理と緊急性が必要だ」とする発言が報じられています。

IOCや日本政府、東京都、組織委らが五輪開催を目指す中でのある種のメッセージと読み取ることもできるのかもしれません。

【12:30追記】
米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)が上記の国務省の日本への渡航中止・退避勧告を受け、東京五輪への米国代表の出場に影響はないとする声明を出したことを共同通信が報じました。

USOPCは勧告を理解した上で「選手やスタッフに対する感染予防策を講じるほか、日本への渡航前と到着後、五輪期間中にも検査を受けるので米国選手の安全な参加に自信を持っている」としています。

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