人類を数千年にわたって苦しめてきた、あのマラリアへの本格的なワクチンがついに登場しました。詳細は以下から。
世界保健機構(WHO)は熱帯地方を中心に毎年多くの犠牲者を出してきた伝染病、マラリアのワクチンを初めて承認しました。マラリアはハマダラカという蚊が媒介するマラリア原虫による感染症で、アフリカを中心に年間40万人以上が死亡しています。
これまでのワクチンは効果が限定的で、虫よけスプレーや蚊帳を使って感染を予防し、感染した場合に治療薬を用いるのが一般的でした。
WHOが今回初めて承認したのは「Mosquirix」もしくは「RTS,S」呼ばれるワクチンで、イギリスのグラクソ・スミスクライン社が開発したもの。
Mosquirixはケニア、マラウイ、ガーナで80万人以上の子供たちに合計230万回以上の接種を行い、安全性と重症マラリアの30%減を確認。
またマラリア治療薬との併用で重症や死亡を7割程度減らせることも明らかになりました。
WHOのテドロス事務総長はMosquirixの承認を「歴史的瞬間」と評しており、試算では5歳未満の子供540万人の感染と2万3000人の死亡を防げるとしています。
なおニューヨーク・タイムズ紙によると、このワクチンはマラリアに限って開発されたものではなく、あらゆる寄生虫感染症を対象としたものとのこと。
もしマラリア以外の寄生虫による病気にも効果があるとすれば、文字通り世界を変える大発明となるかもしれません。
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