レイプ常習犯への「化学的去勢」法案が可決、世界的な広がりも



「魂の殺人」と呼ばれるレイプの常習犯への再犯防止策が広がりを見せています。詳細は以下から。


◆「化学的去勢」法案が成立
パキスタン議会の下院がレイプ常習犯の被告に性欲を抑制させる薬物を投与し、いわゆる「化学的去勢」を可能とする法案を可決しました。

これはパキスタン内で女性や子どもへのレイプ事件の増加により、対策を求める世論の高まりを受けたもの。

またこの反レイプ法案では集団レイプへの加担者は死刑か終身刑に処されることになったほか、性虐待事件の判決を4ヶ月以内に出せるよう、全国規模での特別法廷の設置も義務づけています。

◆すでに導入され、広がっている「化学的去勢」
化学的去勢が導入されるのはパキスタンが初めてではありません。韓国では2011年に16歳未満を相手に性犯罪を犯した性犯罪常習者に対する化学的去勢が法制化。

アメリカ合衆国の一部の州やポーランド、インドネシアなどでもすでに導入されています。

なお国や州によって強制的に措置が行われるケースと加害者本人が治療として任意に選択できるケースがあります。

◆「化学的去勢」実際に何をするのか
実際には、有名なテストステロンなどを含む男性ホルモン「アンドロゲン」を抑制する抗アンドロゲン薬を投与し、性的欲求や性機能を思春期前の水準まで低下させる方法が主に用いられています。

これにより再犯率が減少したとする研究もある一方、副作用や人権に絡む問題も指摘されており、人権団体などからは強く批判されているのが現状です。

この化学的去勢は物理的に性器を切除する伝統的去勢とは違い、薬品の服用を止めれば性欲や性機能も回復するため、より「倫理的」な去勢方法ともされています。ただし性欲や性機能という人間の根源に関わる機微な問題のため、一筋縄ではいきません。

本件は国立国会図書館の調査及び立法考査局による論文「性犯罪者の化学的去勢をめぐる現状と課題」で詳しく論じられており、日本については2018年の「性犯罪の出所者らに国費で薬物治療 受刑者任意で来年度から実施へ 再犯防止へ整備」とした産経新聞の報道が紹介されています。

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