「真・女神転生」で神々を「悪魔」としたのは冒涜、ヒンドゥー教組織が抗議



昔から、ファンであるほどに海外から強烈な抗議が来る可能性を心配してきた「真・女神転生」シリーズ。

案の定、思った通りの理由で抗議を受けてしまいました。詳細は以下から。


世界中の神話や宗教の神々や精霊、妖精などが「悪魔」として登場し、敵や味方となって入り乱れる独特な世界観が多くのファンを熱狂させてきた「真・女神転生」シリーズ。

それだけに当の宗教や文化に属する人々からの抗議が来るのではないか…という不安はファンであれば一度は抱いたことがあるはずです。

今回抗議を行ったのはインド系アメリカ人で、Universal Society of Hinduismの代表も務めるRajan Zed氏。


真・女神転生がヒンドゥー教の神であるガネーシャやハヌマーン、カーリー、ラクシュミ、サラスヴァティ、シヴァ、ヴィシュヌらを悪魔として登場させたことを冒涜だと抗議しています。


このゲームを開発したセガサミーが「社会からの倫理的、公的な期待に応えること」を建前とするならば、人の信仰を矮小化し、コミュニティ全体を嘲笑するようなビジネスを止めるべきと批判。同社の里見治紀代表取締役社長と里見治代表取締役会長にも公的な謝罪も求めています。

Zed上院議員は「セガサミーとアトラスの首脳陣は小学校に戻って『悪魔(Demon)』は悪しき存在で『神(Deity)』は神性を持つ存在だと勉強し直してきたらどうだ?」とするなど、文字通り激怒している模様です。

ただしZed上院議員はヒンドゥー教は言論の自由を重んじているとし、エンターテインメント作品に神々が登場することも問題視はしていません。実際、インドの映画やテレビで神々に扮した俳優を見ることは珍しくありません。

ここで問題となっているのは宗教的な存在や経典、シンボルなどを実際の信仰とは大きく違う形で商業的に作り替えていること。これが実際に存在している信者やコミュニティに対して悪影響を与えるとしています。


シリーズが世界的に有名になれば、いつかはこのように公の批判にさらされることは想像に難くなかった真・女神転生シリーズ。

「真・女神転生II」のラスボスを知っている人にとっては、突然の暗殺やテロでなく穏便な抗議文だったことに安堵した人も多そうですが…。

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