「いつまでもあると思うな親と金」とは昔から言われますが、アラサーにもなれば誰にとっても親の高齢者入りは避けて通れない現実として立ちはだかります。
高齢者とされる65歳にもなれば、健康状態にどんな変化が起こってもおかしくないもの。ある日突然親が病気や怪我で動けなくなったらどうすればいいのでしょうか。
実は私たちの強い味方になってくれるのは介護保険でした。でもどうやって使えばいいの?そんな疑問の超初歩の初歩をまとめてみます。
◆最初に連絡するべき場所はどこ?
「親が倒れる」と言ってもそのシチュエーションは人によって様々です。大きな病気での入院や、怪我で救急搬送されるケースもあり、ちょっと転んでから動くのが大変になった…といった始まり方をすることもあります。
いずれにせよ「自分で日常生活のすべてを当たり前にこなすことが難しくなった時」が介護保険につながるべきタイミングです。
そんな時、何を置いても最初に連絡するのが「地域包括支援センター」。高齢者を介護や医療、保健に福祉などの多方面から支えるための総合相談窓口の役割をしています。
ただし対象となるのが「65歳以上の高齢者及びその介護関係者」であることに注意が必要です。
40歳から64歳であれば、末期がんや脊柱管狭窄症、脳血管疾患初老期における認知症などの16種類の特定疾病が原因の場合に各種介護サービスがりようできるため、65歳未満の場合はチェックしてみてください。
◆地域包括支援センターへの連絡、どうすればいい?
まずやるべきは「地域包括支援センター ○○市(親がいる自治体名)」で検索すること。その自治体の公式サイトから地域包括支援センターのリストにたどり着けます。
例えばこれは「地域包括支援センター 東京都渋谷区」で検索した結果。トップに出てきますね。
開いてみると、渋谷区内の担当地区ごとにセンターが表示されます。
このリストから親が実際に住んでいる地区を担当する地域包括支援センターに問い合わせをすればOK。何が起こってどんな状態なのかを説明し、担当者に親の住まいを訪問してもらいます。
◆連絡するのは「その人が実際にいる場所」のセンター
大切なことは、「その人の住民票がある場所ではなく、実際の体のある場所」のセンターが担当するということ。
これは日雇い労働などで各地を転々としているケースや、DV被害者などで住民票を移せないケースなどを想定していると思われます。
いずれにせよ実際に親がどの自治体のどの地区に住んでいるかを確認し、担当する地域包括支援センターに連絡するのが第一歩です。
◆最初の訪問では何をする?
担当者の最初の訪問では、本人への現状の聞き取り、住居の状況確認、日常生活への影響など、全般的なチェックが行われます。
また必要であれば、現在掛かっている医療機関などとも連絡を取り合い、自治体の要介護(要支援)認定の申請をセッティングします。
加えて担当者の目から見てどのような認定(要支援か、要介護かなど)が受けられるかの見込みや、利用できる、または利用が推奨される介護サービスなどを教えてもらえます。
この辺りは自治体ごとに実際の運用に多少の差が発生したり、担当者による個人差などが生まれたりする可能性もありそうです。
担当者が最初に訪問する際は、自分か家族や親族の誰かが立ち会えればベスト。遠方で立ち会い困難な場合は、事後にでもどんな話をしたのか確認しておいた方がいいでしょう。
特に包括支援センターに要介護(要支援)認定の申請を代行してもらえない場合は、本人が動けなければ家族や親族が自治体の窓口を訪れる必要があります。
なにをやってもらえるのか、なにを家族や親族がやらなければならないのか、この時点で担当者との間でクリアにしておきましょう。
ここでやるべきことが滞ると、要介護や要支援の認定が遅れることになり、介護サービスを受けられる時期がどんどん遅くなってしまいます。何を置いてもまずは「地域包括支援センターに連絡」が鉄則、と覚えておきましょう。
次回は要介護(要支援)認定の申請と介護サービスにどうつながるかの流れを解説します。
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