AI合成の顔「本物より本物っぽい」領域に、不気味の谷あっさり越える



もはや自分の見ている顔が「本当に存在する人間か」分からない時代になりました。詳細は以下から。

◆AIの作る顔が本物よりも本物に見えるレベルに
英ランカスター大学のプレスリリースによると、人間は最新のAIによって合成された人間の顔を本物と見分けられず、むしろAI合成の顔の方が「本物っぽい」と感じるレベルに達したそうです。

ランカスター大学のSophie Nightingale博士らはAI「StyleGAN2」を用いて人間の顔を合成。現状でいわゆる「不気味の谷」をどれほどまで超えているかを調べました。


最初の実験では315人の被験者に、AI合成と本物の混じった800の顔の画像から128人分を抽出。本物かどうか判断させた結果正答率は48%に過ぎず、ランダムに選んだのと変わらない確率でした。

第2の実験では別の219人の被験者に判別のトレーニングを行った上で128人分の顔を判断させましたが、こちらも正答率は59%と10%程度しか上昇しませんでした。

こちらの上段は本物かどうか見分けやすかった顔のリスト。下段は見分けにくかった顔です。Rが本物の人間でSがAI合成、パーセンテージが正答率です。


第3の実験では、223人の被験者に128人分の顔の「本物らしさ」を7段階評価してもらいました。結果はAI合成の顔の本物らしさのポイントの方が7.7%高い結果になりました。

研究者らは、AI合成の顔はより「平均的な顔」に近くなることから、より本物らしく見えるのではないかと指摘しています。

◆ディープフェイクの危険が増大
これまでも既存の人間の顔を他人にはめ込むディープフェイクがリベンジポルノやデマの拡散などに用いられ、問題視されてきました。

ですが今後は、実際に存在しない人間を使ったディープフェイクが作られることになります。


画像や映像に映っている相手が本当に存在する人間かが分からない。詐欺行為や犯罪の隠蔽など、これまで以上に応用分野が広がる可能性があります。

加えてそうしたディープフェイクが乱発された際、どれが本物か分からなくなる状況も十分発生しうるということ。フェイクニュース以上に世界を分断する技術になる危険もありそうです。

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