自分に都合が悪いことを言うのならばその口を塞いでしまえばいい。そんな恐ろしい考え方が自民党の中にはあるようです。詳細は以下から。
自民党の佐島勤国対委員長は16日の党国対の会議の中で衆院憲法審査会を当面開催しないように要請する考えを示しました。
衆院憲法審査会は元々は自民党が改憲に向けて開設したものですが、6月4日に自民党推薦の長谷部恭男教授を始めとする参考人の3人の憲法学者全員が集団的自衛権の行使を容認する「戦争法案」を「違憲」であると断じています。
佐藤国対委員長は会議上で「今後は開催しないでほしい。こちらからもめ事の原因を作るのはやめてほしい」と発言した上、記者会見では「平和安全法制に影響がないようにしていただきたいということだ」と補足しており、自民党が今国会で採決を狙う「戦争法案」の審議をスムーズに行いたいがための極めてご都合主義の「凍結」要請であることを自ら認めてしまいました。
集団的自衛権はこれまでの歴代内閣も違憲であると明言してきており、現在「合憲である」と強弁し続けている高村副総裁ですら1999年時点では違憲であると断じています。
「集団的自衛権、憲法上許されない」(田中角栄首相、鈴木善幸首相、中曽根康弘首相、小泉純一郎首相) pic.twitter.com/s76vahA3wZ
— Atsushi Kawai (@tweetingP) 2015, 6月 16
NEWS23で高村氏の国会答弁の矛盾指摘。憲法解釈をめぐって180度異なる対応に納得できるわけないでしょ pic.twitter.com/rhftMWUwIf
— akasan.nom (@akasannom) 2015, 6月 16
さらに報道ステーションの151人の憲法学者へのアンケートの結果を見ても、今回の「戦争法案」を合憲とするのは菅官房長官が名前を挙げられた数と同じ3名に留まっています
憲法学者に聞いた~安保法制に関するアンケート調査の最終結果(報道ステーション)
http://t.co/DDhWfOjJ7h
お名前をクリックしますと、解説内容がご覧になれます。(皆さんお怒り)
読もう pic.twitter.com/7XpUSgNiAl
— The daily olive news (@olivenews) 2015, 6月 16
各憲法学者の意見の一覧は以下のページから全て閲覧可能。圧巻です。
報道ステーション 憲法学者に聞いた~安保法制に関するアンケート調査の最終結果
このようにほぼすべての政治家、専門家がこれまで違憲であると明言してきた集団的自衛権と、その行使を容認する「戦争法案」に対して厳しい追求が行われ、明確な説明が求められるのは当然のこと。そうした議論を軽視するばかりか、憲法審査会という場までを自らに都合が悪くなったら凍結しようという姿勢はまさに民主主義の根底からの破壊に他ならず、ファシズムと断じられても致し方ありません。
今回の「戦争法案」は単なる法案であるに留まらず、憲法との整合性が全方位から問われるという異例中の異例の法案です。安倍政権は全ての議論に正面から真摯に回答する必要があり、できないのであれば誠実に「違憲」であることを認め廃案とすべきではないでしょうか。
【論戦安保法制】自民党国対、憲法審査会の“凍結”要請 - 産経ニュース
小学館 (2013-06-20)
売り上げランキング: 13,064
・関連記事
「戦争反対」「安倍はやめろ」「憲法守れ」日本各地で安倍政権と「戦争法案」に反対する大規模なデモや集会が続々と開催 | Your News Online
「違憲かどうかの議論意味無い」「考えるのは政治家」安倍政権から憲法を軽視する声が続々と上がる、新国立競技場問題でも | Your News Online
自民党の村上誠一郎元行革担当相、安倍政権を「ファシズムの芽は摘まなきゃいけない」と真っ向から批判 | Your News Online
集団的自衛権行使を認める「戦争法案」、衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と明言 | Your News Online
礒崎首相補佐官、ツイッターで「アフガン戦争の給油措置は『参戦』」「湾岸戦争は『戦争ではない』」など珍説を連発 | Your News Online
サイバー攻撃に対しても集団的自衛権は発動できると防衛省が明言、通常兵器での反撃も | Your News Online