「外国人技能実習生の強制労働」への対応不十分、米国務省が人身売買報告書で日本の評価を引き下げ



海外から何度指摘されても一向に改まる気配がないようです。詳細は以下から。


アメリカ合衆国の国務省が6月25日、人身売買に関する国別の状況をまとめた2019年版の報告書を発表しました。

この中で、日本について「外国人技能実習制度に絡む強制労働」などが行われていると断定。これに対する日本政府の対応が不十分だと判断し、被害者保護の取り組みの評価を4段階のうち最高ランクから2番目に引き下げました。

報告書では外国人技能実習制度の下で「強制労働が行われている」とする継続的な報告があるにもかかわらず、2019年には1件も摘発されていないことを指摘しています。

外国人技能実習生を巡る日本の受け入れ側の極めて悪質な事例についてはBUZZAP!でもこれまで度々記事化してきています。

日本政府と企業が「技能実習」の建前のもと、実質的には外国人を労働力として低賃金の劣悪待遇で奴隷的な労働に従事させていることは何度も指摘したとおり。

常軌を逸した長時間労働や賃金のピンハネは日常茶飯事。中には福島第一原発敷地内での労働除染作業を強いられていた実習生もいました。

2018年には実習生に対する違法行為が前年度から5.5%増えて7割超えとなり、4年連続で過去最多更新。北海道では実習生を受け入れる企業の9割に違法操業していたことも明らかになっています。

つまり実習生は「技能実習」を口実に、ブラック企業どころではない賃金と待遇で働かされ、日本は国としてその「現代の奴隷制度」を推進していることになります。

この件については米国務省は2016年の段階で人身売買として指摘していましたが、4年経っても状況が変わらないどころか、摘発すらろくに行われなくなって後退していることになります。

報告書ではこれに加えて、東南アジア諸国などでブローカーが実習生を言葉巧みにだまして法外な手数料を徴収し、借金漬けにして逃げられないようにするという悪質な事例にも言及。こうしたケースを防ぐための取り締まりが十分に行われていないことも問題視しています。

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