安倍首相「国会で追及されたくない…そうだ野党の質問時間を激減させよう」とさらなる逃亡を目論む


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臨時国会も開催しなければ特別国会での所信表明演説も拒否した安倍首相。今度は国会での野党の質問時間を激減させてさらなる逃亡を図っています。どこまで逃げ続けるつもりなのでしょうか?詳細は以下から。


自民党が10月17日に衆議院での与野党の質問時間の配分を見直す方向で調整に入ったことを朝日新聞が報じています。

内容としては、現在議席割合より多い野党の質問時間を減らすことを検討しており、今後与野党で協議して配分を決める方針とのこと。

衆院予算委員会は現在、与党2割、野党8割の割合で質問時間が配分されています。国会では戦後を通じて割合は多少変動するものの、野党に多くの時間を配分することを自民党政権であれ、民主党政権であれ慣例として継承してきました。これは法案について与党は国会提出前に政府から説明を受けて了承していることを受けたもの。

しかし今回の総選挙での勝利を受け(とはいっても自民党の議席数は284議席で増減無し)、安倍首相は官邸で萩生田光一幹事長代行に「これだけの民意を頂いた。我々(自民党)の発言内容にも国民が注目しているので、機会をきちんと確保していこう」と指示したとのこと。

この発言を受けて菅義偉官房長官も同日の記者会見で「議席数に応じた質問時間の配分を行うべきだという主張は国民からすればもっともな意見だ」と述べています。

既にBUZZAP!では安倍首相が「外交日程などが立て込んでいる」という理由で、野党の要求から3ヶ月開催しなかった上に9月に冒頭100秒で解散してしまった臨時国会の招集を見送る方針で調整を進めており、さらには首相指名選挙などを行う特別国会でもトランプ米大統領の来日や連休で日程がタイトだとして安倍首相の所信表明演説を拒否し、野党が要求している代表質問にも応じない方針であることを伝えました。

既にこの時点で森友学園問題・加計学園問題からの敵前逃亡と言うしかありませんが、次に開く国会では野党の質問時間を半減以下にまで激減させることでさらなる逃亡を図っているということになります。

そもそも与党は過半数の議席を得ることで、日本という国の方針を自ら決めてゆく力を持ちます。今回の自公政権は2/3を超える圧倒的多数を誇っているわけで、国民が注目しているのは発言ではなく、選挙を通じて示された幼児教育の無償化や社会保障の充実といった公約の実現を筆頭とした実際の政策です。

そして野党の役割というのはそういった与党の政策を厳しくチェックし、国会での議論の俎上に載せることで主権者たる国民に対してどのように政治が行われているかを明らかにすることにあります。当然ながら野党からの批判にまともに応えられないような政策であれば、そこには不備があるということになりますし、与党からしてもよりよい政治を行うためには厳格な精査はむしろ歓迎すべきもの。

安倍首相の今回の方針は単に疑惑追及からの逃亡というだけに留まらず、よりよい政治を行うためのチェック機能を大幅に低下させるもの。そして当然ながら野党を支持する国民の意見を国会という国権の最高機関で表明する権利を封殺することにも繋がります。

選挙で圧勝しながら敵前逃亡を続ける総理大臣という汚名を着せられないためにも、最高責任者として正々堂々と野党からの批判に立ち向かい、圧倒的な説得力で自らの正当性を主張するべきなのではないでしょうか?

野党の衆院質問時間、削減検討 政府・自民、配分で:朝日新聞デジタル

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