日本は今後も原発ありきで突き進むようです。詳細は以下から。
世耕経済産業大臣が1月18日の閣議後の記者会見で、原発輸出をこれからも続けていく方針である事を明言しました。
これは1月17日に日立製作所が建設費用の高騰を理由に、イギリスで計画してきた原発建設を凍結し、事業を中断すると発表した事を受けたもの。
日立は事業中断を「民間企業としての経済合理性の観点から判断した」と説明していますが、福島第一原発事故を受けた安全対策の強化などで事業費が当初予定の2兆円から1.5倍の3兆円規模に膨むなど、採算が取れないオワコンの事業である事はもはや周知の事実。
実際にこれに先立った1月11日にイギリスでの原発事業からの中断と、それに伴う2000億円規模の損失計上が報じられた際には市場は好材料と判断し、株価はその瞬間から高騰。最終的には前日比8.64%高となりました。
しかし世耕経産相は「原発プロジェクトが一概に高いというものではない」「世界全体を見れば原発を使いたい国が多数で、今後、いろいろな展開の可能性がある」と発言。
安倍政権が6年に渡ってアベノミクスの成長戦略の目玉としてきながら、今回の日立の事業中断で敢えなく全滅した原発輸出の政策を今後も引き続き進めていく考えを示しました。
福一事故を経験していればこそ、原発がひとたび事故を起こした時に途方もない人的、物的、金銭的な被害が発生し、長期間にわたって人の住めない土地が生まれる事は熟知しているはずです。だからこそ安全対策として世界中で原発の建設費用が高騰しているわけですが、経産省はいったい事故発生時のコストをどのように見積もっているのでしょうか?
また、世耕経産相は「福島の事故を経験した日本の原発の安全に関する技術が世界に貢献していくことができる」とも発言していますが、未だに福一事故を収束させる見通しも立てられていない以上、日本の安全技術が信用してもらえるとは思わない方がよさそうです。
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