この姿勢で報道機関と言えるのでしょうか?詳細は以下から。
タレントのフィフィさんが千葉県野田市で小学4年生の女児が虐待死した事件に関し、立憲民主党の蓮舫議員に対してフェイクニュースで批判を行った件は先にBUZZAP!でも報じたとおり。
フィフィさんは「私は問いたい、なぜ平成16年の警察の積極的介入を盛り込んだ児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員が、今回の虐待死の件で現政権を責めることが出来るのか、私はその真意を問いたい。あなたは本当に国民の側に向いているのですか?それ以前に同じ親の立場として問いたい、なぜあの時反対したのですか?」とツイートしたものの、実際にこの法案が成立したのは蓮舫議員が参議院で初当選する前のことでした。
(魚拓)
フィフィさんはツイッター上でフェイクニュースであるとの指摘を受け、既に謝罪して当該ツイートも削除していますが、このネタにすかさず飛びついていたのが読売傘下のスポーツ報知でした。
スポーツ報知は2月18日10時49分付けで「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問『あなたは本当に国民の側に向いているのですか?』」(魚拓)というタイトルで掲載。
記事ではフィフィさんのツイート内容のみを紹介し、法案成立が蓮舫議員の初当選以前であったことや同法案が全会一致で成立したことには触れておらず、結果的にフェイクニュースを無批判に拡散する結果となりました。
その後スポーツ報知は最後に1段落を付け加えてタイトルを「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問も「事実誤認?」の指摘」(魚拓)と改題します。
しかしそこでも
しかし、児童虐待防止法改正法案は蓮舫議員が初当選した2004年7月11日の参院選の前(04年4月)に可決されており、蓮舫議員は投票できない。一部フォロワーからは事実誤認ではないか?との指摘が出ている。
と、「一部フォロワーの指摘」という形で言及したのみです。
その後15時42分に「フィフィ、蓮舫議員に謝罪 誤認でツイートを削除」(魚拓)という記事を掲載していますが、「その後議員としてどの様な働きかけをしたのか、そこにまだ疑問が残りますが、謝罪の念を込め削除という対応をさせて頂きます」という言い分をそのまま垂れ流しました。「そこにまだ疑問が残ります」……?
なお、スポーツ報知はその前の14時58分には「蓮舫議員、『誤解が流布されている』児童虐待問題で自身の活動内容示す」とした記事を掲載しています。ここでは
蓮舫氏は「何か誤解が流布されているようです」とした上で、「私は議員になってから児童虐待をなくすための活動に力を入れています」とツイート。「2004年夏に初当選し、児童養護施設の視察を重ね、その秋に施行された児童虐待防止法と整合性を取るための児童福祉法改正案について初めての本会議質問を行いました」とし、国会での質問を記録した議事録をアップした。
と蓮舫議員発言を伝えており、少なくともこの時点で自らの報道がフェイクニュースであったと気付いて事実検証できたはずですが、完全にスルーしています。
今回のスポーツ報知のフェイクニュース拡散は、単にタレントや政治家の言い分をグーグル検索レベルのファクトチェックすら行わずに垂れ流したもので、ジャーナリズムとしての検証機能が全く働いていなかった事を意味します。
スポーツ新聞とはいえ、読売新聞傘下の報道機関のはずですが…?
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