全体のほんの一部の記述ですが、それだけに作り手側の意識がダダ漏れになっている可能性が指摘されています。詳細は以下から。
◆広島県が働く女性のためのハンドブックを作成
広島県が作成した、働く女性を応援し、仕事と家庭を両立させるため、関連する法律や各種支援制度などを読みやすくまとめた冊子「働く女性応援よくばりハンドブック」が炎上しています。
性別による賃金格差などもあり、育児に関する多数のサポートをしっかり把握するのも困難なため、分かりやすい冊子が存在すること自体はむしろよい取り組みで、この冊子の大部分の情報が有益なことも間違いありません。
◆炎上した「ワーキングママの心構え」
それでも炎上してしまったのは、「ワーキングママの心構え」という部分で「同僚・周囲への感謝と配慮を忘れずに!」としているところ。
同僚、上司、パパ、祖父母らを例として「もしかしたらこんな風に思われているかも…」と働く母親の不安を煽り、アドバイスとして感謝や配慮が必要としています。
少なくとも仕事上の関係については、自治体が企業などに育児に関する法律や制度をしっかり周知させるべきところで、母親個人の心構えの問題に帰すような内容ではありません。
◆さすがに他人事過ぎる「パパ」の認識
そして、この中でも最も批判されているのが以下のパパの認識です。
「こっちだって仕事で疲れてる」については、共働きでの仕事の上に家事と育児もしている母親に言っていい言葉ではありません。
「夜泣きがうるさくても我慢してる」はご近所さんではなく自分の子どもの話ですから、対応すべき当事者という意識が完全に欠けています。
「多少は手伝っている」については、育児は母親の仕事で父親は手伝うだけでいいという昭和然とした価値観がダダ漏れです。
まとめると、ここで描かれるパパは育児をまったく自分の仕事だと考えておらず、不備があれば文句を言える立場だと誤解しているということ。
ネット上では、こうしたタイプの父親に悩まされる母親のツイートがバズることも多く、ある意味非常にリアルな現在の日本の父親像のひとつなのかもしれません。
問題は21世紀も20年が経った現代日本でこうした父親像を自治体が提示し、「お願いは時間を区切って具体的に」「手伝ってもらったことにダメ出しはしない」などと感謝ベースでの対応をアドバイスしたこと。
だとすればこれを機に共働きの男性に対し、家事や育児に当事者として参加を求める冊子を作ってもよいのかもしれません。
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