FAXにはんこ、テレワーク見直しなど、デジタル化への逆風は日本企業のあちこちに見られます。いったい誰が反対しているのか、やはり納得の指摘が並びました。詳細は以下から。
Progateのプレスリリースによると、日本企業のデジタル化の中で経営者や幹部層、年配者らがブレーキを掛ける存在となっているようです。
ProgateとMMDLaboが運営するMMD研究所は20歳から59歳の正社員男女1万人に対して「従業員からみたデジタル課題に関する実態調査」を実施。このうち73.3%が勤め先でデジタル化が行われていると回答しました。
この中で業務のデジタル化についていけているかを質問すると「ついていけている」と「どちらかというとついていけている」が計42.5%に。一方「あまりついていけていない」と「ついていけていない」が計20.7%となりました。
業務のデジタル化で苦労しているかについては57.7%が苦労していると回答。「慣れたやり方から移行するのが大変」が35.7%と最大で、「電子機器を使いこなせるようになるのが大変」が 24.7%、「セキュリティ対策の強化、知識向上が大変」が24.2%と続きます。
なお、自社のデジタル課題に対しての従業員の考えとしては、以下のような意見が示されています。
<20代>
「既存の何年もかけて培った個人のノウハウをそのままデジタル化できない(男性・20代)」
「変えることで自分たちの仕事(新しく覚えること)が増えるという考えの年配層の考えをえる必要がある(女性・20代)」
<30代>
「スピード感。世の中のスピードに対して実行力が遅すぎる(男性・30代)」
「昔からのやり方を変えない年配の幹部や経営陣がいるので、そもそもデジタル化が進まない。若手社員が意見を言っても、デジタル化についての理解が薄いので、聞き入れて貰えず重要視されていない。(男性・30代)」
<40代>
「経営者や幹部がデジタル技術に対し理解が浅いこと。(男性・40代)」
「デジタル化に疎いベテラン社員の教育と意識改革。(男性・40代)」
「経営陣が必要性を感じてない(女性・40代)」
「古いやり方が正しいと思っている石頭のお年寄り(女性・40代)」
<50代>
「経営陣は年配が多く、保守的である、業務の効率化を進める為にも必要な事を理解してほしい(男性・50代)」
「管理職のベテラン、年配者も積極的にデジタル化に順応する姿勢をみせることが必要不可欠になってきていると思います。(女性・50代)」
(【従業員からみたデジタル課題に関する実態調査】従業員のデジタルスキル学習は約3割に留まるが、デジタルスキルへの興味は約7割より引用)
ということで、これまでの慣れたやり方を変えようとしない保守的な経営陣やベテランの中高年層がデジタル化を妨げる大きな原因になっているというもの。
2018年まで団連会長の執務室にPCが導入されていなかったことは当時大きな驚きを持って迎えられました。
また2020年になっても自民はんこ議連が「出勤して紙に押印するのが本質だ」と主張するなど、昭和時代を彷彿とさせるエピソードが主に高齢の経営陣や政治家から飛び出しています。
下からのデジタル化が社内で力を持つ層を変えられないのであれば、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速は期待できなそうです。
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