Shing02が風営法をテーマに人間の奥底に滾るダンスを描く短編映画「Bustin’」がYouTubeで公開される

今、国会から法廷までで盛んに議論されている風営法とダンス。Shing02から回答とも問いかけとも取れる一本の短編映画が届きました。必見です。

「Bustin'」は日本を代表するMC/アーティストであるShing02が自ら脚本を書きおろし、監督した短編映画。昨夜DOMMUNEでワールドプレミアが行われ、その直後からYouTubeにて公開されています。

風営法のダンス営業規制によって締め付けの続くクラブシーン。署名活動から始まった法改正の動きは国会議員を動かし、改正案もまもなく提出されることになっていますが、それでも今も摘発は続いています。

そんな中でアーティストから人間が踊るというのはどういうことなのか、良い音楽が流れている中で私達の体はいかにダンスを欲するのかが描かれていきます。ダンサーであろうと、警察官であろうと、私達は同じ人間であることが示されます。22分半の作品、じっくりご覧ください。

Bustin' - YouTube

筆者個人としては、制服に身を包み、シーンの外側からダンスを止めに来た警察官の側がむしろ自由奔放に体を揺らし、動かし、踊りだしたのが印象的でした。私達が見ているクラブシーンの外側にも限りなく人間の世界が広がり、職業や肩書といったペルソナを脱ぎ捨てた下にはほとばしる衝動や奔放な表現が隠されていることをこの上なくポジティブに描き出しています。

ダンスは今踊っている人だけのものではなく、どんな人間の内にも潜んで滾っていることを思い起こさせてくれます。なぜそれを縛ろうとする、踊ろうじゃないかと言葉ではなく、音楽とダンスが激しく訴えかけてきます。