Photo by Thomas Hawk
合法化が進み、巨大産業として成長を続けるアメリカ合衆国の大麻。ついに医療大麻を連邦法で取り締まらないという重大な決定がなされました。詳細は以下から。
先週末、アメリカ合衆国の上院では多くの歳出法案が承認されましたが、その場で長きに渡る連邦法での医療大麻の取り締まりが終わりを告げました。とある法案への修正案が司法省に対し、州法で認められている医療大麻を取り扱う薬局や患者を取り締まることに国の金を使うことを禁止したのです。
Hinchey-Rohrbacher amendmentと呼ばれるこの特約のサポーターのSam Farr代表は
「(医療大麻を用いている)患者は連邦法による告発の恐怖に怯えず合法的なケアにアクセスできるようになるだろう。そして我らの連邦の金は患者を無駄に追い回すのではなく、現実に起きている犯罪と戦うというより賢い使い方をされるよになるはずだ」
と述べています。
司法省は昨年大麻合法化に関する州法の実施には干渉しないと公約しましたが、実際には守られていません。今年の頭には司法省はレクリエーション用大麻も合法化されているワシントン州東部において、68株の大麻を栽培したとして「Kettle Falls Five」の名前で知られる家族を摘発しています。
こうした事例も今回の決定で覆される可能性があるとのこと。医療大麻の活動家らは患者の権利において画期的な瞬間だと歓迎しています。医療大麻推進を目指す団体Americans for Safe AccessのMike Liszewski公務ディレクターは
「この基準が承認されることで、議会は大麻に関する連邦法の変化を希求する非常に多くのアメリカ人を味方につけることができるでしょう」
としています。
これまで長らく問題となってきた、大麻に関する州法と連邦法での扱いの矛盾がこの決定で大きく解消されたと言えそうです。もちろんレクリエーション用大麻の扱いについてはこの限りではありませんが、既にアメリカ合衆国の多くの州で定着し、多くの患者に受け入れられると共にビジネスとしても着実に展開している医療大麻への捜査や告発の危険が無くなることで、さらに多くの企業の参入や規模の拡大が見込まれます。
「酒よりも有害ではない」大麻に税金を無駄につぎ込まず、より危険で実際に起きている犯罪にその税金を用いる。非常に明快にして合理的な判断と言えるでしょう。
日本でも未だに大麻に関する逮捕は散見されますが、税金を使い道としてはむしろ覚せい剤やヘロインよりも危険とされる「危険ドラッグ」の摘発によりシフトすべきなのかもしれません。
【再掲】脱法ハーブがマリファナよりも危険であると言われる理由とは? | Your News Online
The Federal War on Medical Marijuana Is Over Mother Jones
(Photo by Thomas Hawk)
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