産経新聞が全国的に注目を浴びて国会でも議論となっているヘイトスピーチの意味を全く理解できていない体たらくを署名記事上で披露してしまいました。詳細は以下から。
本日の産経ニュースの「編集日記」で乾正人編集長がノーベル文学賞を受賞した作家大江健三郎さんに対し、ヘイトスピーチではない物言いをヘイトスピーチだと指摘、ネット上で「底辺ネトウヨと同レベルじゃないか」などと笑いものになっています。
乾正人編集長は5月3日に横浜みなとみらい・臨港パークで開催され、3万人以上が集まった5・3憲法集会で、大江健三郎さんが安倍首相のことを「安倍」と呼び捨てにしたことに噛み付きます。
それを「言動が、荒れに荒れている」と表現するのは別段全く問題ありませんが、ここで乾正人編集長はなんと「一国の首相を呼び捨てで非難する」ことを「『ヘイトスピーチ』そのもの」と言ってしまいます。
その代表が作家の大江健三郎さんです。彼は憲法記念日に横浜で開かれた「護憲集会」での演説で、安倍晋三首相批判に熱を入れるあまり、「安倍」と呼び捨てにしていました。
どんなに相手の考え方や性格が嫌いでも、一国の首相を呼び捨てで非難するのは、大江さんが大嫌いなはずの「ヘイトスピーチ」そのものです。
(【編集日誌】大江健三郎氏の“熱弁”は… - 産経ニュースより引用)
既に国会でも繰り返し議論になっているため、ヘイトスピーチとはなにかということは少なくともメディア内では正しく理解されているものであると考えられてきましたが、産経新聞では編集長という立場にある人間すらこれをまったく理解していないことが明らかになってしまいました。
ヘイトスピーチとは人種、民族、血統、国籍、宗教、性別、セクシュアリティなど、変更不能もしくは困難な属性に対する差別及び差別を煽動する表現(言論だけに限りません)のこと。単なる罵倒や非難とは全く性質が違うものです。
ヘイトスピーチは2013年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれており、2015年の時点でメディアのトップが意味を取り違えていていい言葉ではありません。しかもその間違った意味で言葉を用いて他者を批判するなど、赤っ恥以外の何ものでもないでしょう。
これまでもBUZZAP!では産経新聞のトンデモ記事を数多く取り上げてきましたが、編集長からこの体たらくであれば朝日新聞以前に廃刊してはいかがでしょうか?
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