南海トラフ巨大地震対策で大震法改正へ、対象地域が29都府県に大幅拡大し地震予知前提の運用も見直しへ



東海地震の被害想定域を前提にしてきた大規模地震対策特別措置法の対象が南海トラフ巨大地震を想定して大幅に拡大される事になりそうです。


駿河湾から静岡県の内陸部を震源域とするマグニチュード8クラスの巨大地震である東海地震。駿河湾付近に存在する駿河トラフ周辺の部分の岩盤が160年動いていないことから、いつ発生してもおかしくないと切迫性が指摘されており、大規模地震対策特別措置法はこの東海地震の被害想定域を前提にしてきました。

しかし、近年の研究で東海地震が南海トラフ巨大地震として東南海地震、南海地震に連動して発生する可能性が指摘されるようになりました。このため政府は新たに作業部会を設置、大震法に基づく基本的な計画を南海トラフ巨大地震の影響を受ける地域にまで拡大するかを検討することとなりました。

この場合、対象地域は静岡、愛知、三重などの8都県157市町村から、四国全土と紀伊半島、中国地方の瀬戸内海側全域、九州の東側までを含む29都府県707市町村にまで大幅に拡大されることとなります。

また、これまでの大震法は東海地震を直前に予知できる可能性を前提に、対策を講じる目的で作られたもの。この予知によって指定地域に対して首相が警戒宣言を発令し、交通の禁止や制限、住民への火気の仕様や応急対策への協力を要請することができました。

しかし、東日本大震災後に政府の中央防災会議の調査部会が「地震の発生時期を確度高く予測することは、一般的に困難」と報告したことから、余地を前提とした運用も見直されることとなりそうです。

南海トラフ巨大地震はM9レベルと、東日本大震災を超える巨大地震となる可能性が指摘されており、巨大津波などにより死者32万人、経済被害220兆円と予測されています。

大震法の改正は南海トラフ巨大地震への備えとなるのでしょうか?

大震法、南海トラフに拡大方針 40年ぶりの見直し:朝日新聞デジタル

気象庁|東海地震について 巨大地震の可能性


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