天皇陛下の「生前退位」への「お気持ち」を産経新聞が改憲のために政治利用しています。あまりにも醜悪と断ずる他ありません。
昨日、日本中が注目した天皇陛下の「お気持ち」。内容については実際の映像と全文に譲りますが、さっそく産経新聞が醜悪な政治利用を行っています。
産経ニュースは産経新聞社とFNNが8月6,7日に実施した合同世論調査の結果として、天皇陛下が生前に皇位を譲る「生前退位」に関して「今後、「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思うかどうか」を質問。
その結果として「『生前退位が可能になるよう憲法を改正してもいい』とする回答が84.7%に達し、『改正してもいいとは思わない』の11.0%を大きく上回った」と報じています。
しかし、天皇陛下の「生前退位」のために憲法改正は必要ありません。日本国憲法第2条は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」としており、皇位継承について定めているのはあくまで皇室典範です。
また、皇室典範には第4条に「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあるのみで、天皇の「生前退位」を明文的には禁じてはおらず、単に「想定外」であるに過ぎません。つまりは、皇室典範の改正によって「生前退位」は可能となり、憲法を変える必要はどこにもありません。
実際には、何らかの圧力によって天皇が「生前退位」を強要される可能性(日本史上には実例がいくらでもあります)、「生前退位」後の立場の立場を含めて、少なからぬ難しい課題が山積しています。そうした状況から今回限りの特別法の制定も想定されていますが、それにしても憲法改正は必要ありません。皇室典範の扱いは普通の法律と同様であり、議会で過半数を有する与党が変えようとすれば憲法のような2/3の賛成も国民投票もなく法改正することが可能です。
つまりは産経ニュースが「お気持ち」公表直前の世論調査で「今後、「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思うかどうか」という質問をしたこと自体が明らかなミスリードであり、天皇陛下のご高齢と激務を大きな理由とした「生前退位」の意志への国民の共感に無根拠な改憲を絡ませて84.7%という「賛成」を「捏造」したのです。
産経ニュースは即刻天皇陛下の「生前退位」を可能とするためにどのような憲法改正が必要だと考えてこうした質問を行ったのかという根拠を明示すべきです。
それができないのであれば天皇陛下の「お気持ち」の憲法改正論議への明確な「政治利用」であり不敬の極み。即刻廃刊すべきでしょう。
【産経・FNN世論調査】天皇陛下の「生前退位」へ「憲法改正してもいい」84% 「政府は制度改正を急ぐべき」も70% - 産経ニュース(魚拓)
「生前退位」可能となるよう改憲「よいと思う」8割超 FNN世論調査
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