南京大虐殺否定論者として知られる名古屋市の河村たかし市長がまたもや否定発言です。詳細は以下から。
河村たかし名古屋市長が再び南京大虐殺否定論という明確なデマを唱えました。またもや国際問題に発展する可能性があります。
河村市長は2012年にも、南京市の姉妹都市である名古屋市の市長の職にありながら、南京市から訪問した市共産党幹部らに「南京事件はなかったのではないか」と南京大虐殺否定論をブチ上げ、南京市との交流を途絶えさせるという国際問題にまで発展させたという「前科」を持っています。
今回の発言は1月23日の記者会見で、アパグループが運営するアパホテルの客室に南京大虐殺を否定するデマ本を設置していることが中国で批判されていることに関しての記者からの質問に答えたもので、「いわゆる南京事件はなかったのではないか。中国は『30万人、市民を虐殺』と言っているが、本当なら日本人が全員南京に行って土下座しないといけない」と述べました。
また、「市民虐殺はなかったのではないか。通常の戦闘行為はあったが、政府見解でも『虐殺』は認めていない」とも発言しましたが、これは完全なるデマ。
BUZZAP!では安倍首相が中国と共に2006年に立ち上げた日中共同歴史研究の日本側の論文で以下のように南京大虐殺の存在を認めており、虐殺人数に諸説があることについても同様に分析がなされていたことを先日報じています。
中支那方面軍は、上海戦以来の不軍紀行為の頻発から、南京陥落後における城内進入部隊を想定して、「軍紀風紀を特に厳粛にし」という厳格な規制策(「南京攻略要領」)を通達していた。しかし、日本軍による捕虜、敗残兵、便衣兵、及び一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した。日本軍による虐殺行為の犠牲者数は、極東国際軍事裁判における判決では20万人以上(松井司令官に対する判決文では10万人以上)、1947年の南京戦犯裁判軍事法廷では30万人以上とされ、中国の見解は後者の判決に依拠している。一方、日本側の研究では20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている。このように犠牲者数に諸説がある背景には、「虐殺」(不法殺害)の定義、対象とする地域・期間、埋葬記録、人口統計など資料に対する検証の相違が存在している。
日本軍による暴行は、外国のメディアによって報道されるとともに、南京国際安全区委員会の日本大使館に対する抗議を通して外務省にもたらされ、さらに陸軍中央部にも伝えられていた。その結果、38年1月4日には、閑院宮参謀総長名で、松井司令官宛に「軍紀・風紀ノ振作ニ関シテ切ニ要望ス」との異例の要望が発せられたのであった。
虐殺などが生起した原因について、宣戦布告がなされず「事変」にとどまっていたため、日本側に、俘虜(捕虜)の取扱いに関する指針や占領後の住民保護を含む軍政計画が欠けており、また軍紀を取り締まる憲兵の数が少なかった点、食糧や物資補給を無視して南京攻略を敢行した結果、略奪行為が生起し、それが軍紀弛緩をもたらし不法行為を誘発した点などが指摘されている。戦後、極東国際軍事裁判で松井司令官が、南京戦犯軍事法廷で谷寿夫第6師団長が、それぞれ責任を問われ、死刑に処せられた。
(第2章 日中戦争―日本軍の侵略と中国の抗戦 より引用)
また、同様の記述は外務省HP内にも見られ、安倍政権の公式見解であることが明確に示されています。
1.日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。
2. 先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。
3. こうした歴代内閣が表明した気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。
(歴史問題Q&A | 外務省より引用)
今回の河村市長の発言は南京大虐殺否定論というデマを再び拡散させる極めて悪質なものであると同時に、「政府見解でも『虐殺』は認めていない」という新たなデマを拡散させており、非常に大きな問題です。
河村市長は持論について「撤回するつもりはない」と述べていますが、明確なデマに持論も何もあったものではありません。公職に就いている以上、政府見解までも捏造して国際関係を悪化させるのは背任行為と呼ばざるを得ないでしょう。即刻のリコールが求められます。
「南京事件なかったのでは」姉妹都市・名古屋の河村市長:朝日新聞デジタル
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