これまで隠れて見えなかったいじめが大きく可視化されてきました。文科相の異例の方針転換が大きな効果を上げていることが判明した形になっています。詳細は以下から。
2016年度に沖縄県那覇市の小学校で起きたいじめの認知件数が2017年1月現在で4338件であることが2月22日那覇市議会で報告されました。これは前年度の327件から13倍以上の急増となりますが、突然那覇市でいじめが急増したわけではありません。
BUZZAP!でも以前お伝えしたように、これは文部科学省がいじめの認知漏れを根絶することを目的とし、いじめの認知件数の多い学校は「いじめが多い」のではなく「いじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいる」と極めて肯定的に評価するとした、異例の方針転換の結果。
この文科省通知を受けて那覇市教育委員会は昨年度から毎月実施しているいじめの有無などを確認するアンケートに加え「望まないあだ名で呼ばれる」「遊びで何度も鬼役をやらされる」など、これまでは人間関係上の悪ふざけと捉えられがちだった事案もいじめと捉え、認知体制を強化。積極的な初動対応でいじめの解消に繋げているとのこと。これによって7割程度が解消しているいうことです。
ただし、中学校でのいじめの認知件数は212件で前年度の155件から増えていますが、小学校に比べて伸び幅は小さなものとなっています。これは成長によって周囲にいじめの事実を言わない子供が多くなり、実態が見えにくくなっているとのこと。
思春期に入り、教師や親といった大人を簡単には信用できなくなる年頃でもあり、また報告することでの加害者からの報復を恐れて黙ってしまうことも十分にあり得そうな話です。
とはいえ、「いじめゼロ」が誇れることではなく「いじめを認知する努力を怠っている」事であるとされた影響は極めて大きなものであることは、那覇市のこの事例を見ても一目瞭然。学校側が隠蔽しないようになるだけで、いじめ問題は少なからず改善していくことが分かりました。
もちろんこれだけで十分とは言えず、スクールカウンセラーなど専門的に児童生徒の人間関係の相談を受けられる人員の積極的な配置や加害生徒児童の強制転校などの措置も必要になっていくことと考えられます。
いじめ「件数多いと評価下がる」を改めた結果… 那覇市の小学校、327件→4338件に _ 沖縄タイムス+プラス ニュース _ 沖縄タイムス+プラス
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