自民党が前川前文科省事務次官の証人喚問を「政治の本質に何の関係もない」と拒否し、またもダブルスタンダード露呈

ご都合主義の帰結として当然とも言える、もはや痛々しいほどの巨大ブーメランです。詳細は以下から。

◆自民党が前川前文科省事務次官の証人喚問から逃亡
民進、共産、自由、社民の野党4党が5月26日、加計学園問題について「行政がゆがめられた」などと証言した前川喜平・前文部科学事務次官の証人喚問を求める方針で一致して与党側に求め、安倍首相が出席する集中審議を要求しました。

しかし自民党は証人喚問を拒否した挙句に集中審議すら「即答できない」と答えをはぐらかしました。やましいところがないのであれば、いったいなぜこのような態度を取るのでしょうか？非常に理解に苦しむ行動です。

自民、民進国対委員長会談で、民進党の山井和則国対委員長は「首相の今までの説明が事実と違うとの大きな疑惑になっている。与党は説明責任を果たしてもらいたい」と前川氏の証人喚問と集中審議を求めました。

しかし自民の竹下亘国対委員長は「証人喚問は必要ない。話としては面白いが、政治の本質に何の関係もない」と拒否。集中審議については「調整が必要で即答できない」と答えています。

◆一方、森友学園問題で竹下国対委員長は…
これは極めて奇妙な答えで、竹下亘国対委員長は森友学園問題では当初籠池理事長の参考人招致にすら「民間人の招致は慎重であるべきだ。（野党に）難しいと申し上げた」として難色を示していましたが、安倍首相が森友学園に100万円寄付したという証言をした途端に「総理に対する侮辱だ。（籠池氏に直接）たださなきゃいけない」として証人喚問を決定した人物。

自民党が態度一転で籠池理事長を証人喚問に、その理由が「総理を侮辱した」という異常 | Your News Online

さらに同じ自民党国対の幹部は「国家に対して喧嘩を売るっていうのがどれだけ大変かわかってない」などとまで発言。

「国家に対して喧嘩を売るっていうのがどれだけ大変かわかってない」籠池理事長証人喚問に自民党国対幹部 | Your News Online

これこそまさに「話としては面白いが、政治の本質に何の関係もない」はずですが、安倍首相を侮辱した人物を証人喚問で問い詰める事が政治の本質だとでも考えているのでしょうか？

しかも、竹下委員長がいみじくも述べたように籠池理事長は単なる民間人に過ぎませんが、前川氏は数ヶ月前まで文部省のトップだった、加計学園問題の文科省としての内情を知る人物。前川氏は25日の記者会見でも「証人喚問があれば参ります」と発言しており、呼ばない理由がありません。もし本当にこのまま前川氏を呼ばなければ、自民党はダブルスタンダードの誹りを受けても致し方ありません。

先日BUZZAP!でも詳報したように、加計学園問題は我々日本人の税金が首相の親友であるというだけで、100億円にも及ぶ便宜供与が行われた疑いが濃厚な事案であり、法治主義国家では断じて許容できるものではありません。

加計学園問題で「総理のご意向」と内閣府が言及した文科省の記録文書の存在が発覚、安倍首相は以前に「働きかけあれば責任取る」と明言 | Your News Online

そうした不正が行われていた可能性がある以上、徹底的に究明するのは政治の本質中の本質であり、与野党問わずこの問題から引き下がることは絶対に許されません。

言い訳にもならない言い訳で証人喚問から逃げ回るのであれば、国民に対して安倍首相がクロであるとの印象を自ら強めるだけの結果にしかなりません。潔白であるのなら、前川氏の証人喚問を行って疑惑を払拭すればいいだけの簡単な話です。

自民党はいったい何をそんなに恐れているのでしょうか？

前川前次官の証人喚問、自民が拒否　加計学園問題：朝日新聞デジタル

文庫　平気でうそをつく人たち　虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)

posted with amazlet at 17.05.26

Ｍ・スコット・ペック
草思社
売り上げランキング: 17,001

Amazon.co.jpで詳細を見る

ツイートシェアはてブ LINEで送る