非正規の平均給与は172万円、正規より315万円低く4年連続で格差拡大中


Photo by Katy Ereira

非正規雇用者の格差と貧困が拡大を続けていることが判明しました。詳細は以下から。


国税庁の民間給与実態統計調査によって企業の正規雇用者と非正規雇用者が2016年に受け取った平均給与の差が315万円となり、4年連続で格差が拡大していることが判明しました。

この調査では役2万1000ヶ所の事業所を抽出調査しており、対象となった労働者は31万人あまり。全体の平均給与は422万円となっており4年連続で上昇していました。しかし役員を除く正規雇用者は487万円であったのに対し、非正規雇用者は172万円に留まり、その差は315万円にも及んでいます。

正規と非正規を分けて統計を取り始めたのは2012年。この年の差は300万円でしたが、4年間に渡って正規の平均給与が19万円上昇したのに対して非正規は4万円の上昇に留まっており、格差は4年連続で拡大しています。

172万円の年収は月収に直すと14万3000円程度。月20日8時間ずつ働いたと仮定すると時給換算で895円となります。2017年10月に改訂される最低賃金の全国加重平均額が848円であることを考えればこの数値は十分にあり得るもの。

当然ながら非正規雇用者の多くは雇い止めなどの将来的な不安を抱える状況に置かれており、単純な賃金以外の待遇や福利厚生でも正規雇用者より劣悪な環境を強いられているケースが少なくありません。

2012年は第2次安倍政権が誕生し、アベノミクスがスタートした年でもあります。4年間経った時点では、アベノミクスの成果は少なくとも立場の弱い人ほど実感しにくいものと言えるでしょう。非正規雇用は2014年度の時点で4割にも及んでおり、この大きな格差の中で貧困にあえいでいる国民が決して少なくないことが分かります。

なお、最低賃金を1500円まで上げたとしても年収は288万円。現在の正規雇用者と非正規雇用者の格差を考えれば、この要求はむしろ控えめな数字であることが分かります。

正規と非正規、年間給与に315万円の差 4年連続拡大:朝日新聞デジタル

(Photo by Katy Ereira


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