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廃炉処理がにっちもさっちもいかないことが判明しました。馬鹿丸出しです。詳細は以下から。
廃炉には最低でも30年の期間と3750億円が掛かるとされた福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅですが、期間や費用どころかどうやって廃炉処理をすればよいのかの手段すら見つかっていないことが明らかになりました。
数々のトラブルと運営主体の日本原子力研究開発機構による呆れるほどずさんな管理、度重なる責任者の自殺などにより、1985年の着工以来ほぼまったく発電をすることもなく日本の税金1兆2000億円を食いつぶした「悪夢の」高速増殖炉もんじゅ。
このもんじゅが、実は原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっており、廃炉処理ができないことを日本原子力研究開発機構が今更になって明らかにしました。
通常の原発では核燃料の冷却に水を使っていますが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷却しています。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こすため、扱いが極めて困難です。もんじゅではこのナトリウムが大量に用いられているため、事故が起これば大爆発になる可能性があります。
実際にもんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、その他諸々の原因と合わせて長期停止の一因となりました。
非常に強い放射能を帯びたこのナトリウムを抜き取る事がもんじゅの廃炉処理の初期段階の重要なプロセスとなりますが、原子力機構によると直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われており、原子炉容器に近づけません。
さらに原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっているため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造になっているとのこと。
(高速増殖原型炉もんじゅ公式サイトより引用)
実際に運転を開始した1994年以来、この原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もありませんでした。原子力機構幹部は取材に対して「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」というまったく話にならない回答を寄せています。なお、このもんじゅの建設主体には日立製作所・東芝・三菱重工業・富士電機という錚々たる日本企業が並んでいます。
原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしていますが、空気に触れると発火し、水に触れると爆発する非常に強い放射能を帯びたナトリウムを抜き取り穴もない原子炉容器からどのようにして抜き取るのか、目処は全く立っていません。
原子力規制委員会も「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念しており、文字通りにっちもさっちもいかない状況となっています。
廃炉作業の際に爆発事故などが起これば、このもんじゅから関西圏の水瓶である琵琶湖の北端までは30kmしかありません。また京都市は90km圏内、大阪市は120kmの距離。放射能による飲料水の汚染を筆頭に、漁業や農業への実害はもちろん、関西圏全体のインバウンドを始めとした観光業への影響は計り知れないことになります。
廃炉してなお莫大な日本国民の税金を溶かし続け、安全な生活を脅かし続ける高速増殖炉もんじゅ。福島第一原発事故を経てもなお原子力推進を唱える日本政府は、福一はもちろんこうした課題をしっかりと解決してから次の原発政策に足を踏み入れるべきなのではないでしょうか?
もんじゅ:設計、廃炉想定せず ナトリウム搬出困難 - 毎日新聞
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