最低賃金を下回る薄給で奴隷労働を強要されたからなのですが、理解できないのでしょうか?詳細は以下から。
◆「奴隷労働」という問題を理解できない法務省
「日本で働きながら技術を学ぶ」という名目で、発展途上国の外国人を低賃金低待遇の奴隷労働に従事させる悪名高い外国人技能実習制度。
法務省によると、今年は6月末までに3205人が失踪しており、半年間で初めて3千人を突破。失踪者の増加ペースは7月以降も落ちておらず、年間では初の6千人台となる最多記録を更新するのは確実な情勢です。
近年の失踪者の急増を受けて、法務省は失踪者が出た受け入れ企業などへの指導を強化。賃金不払いなど不正行為があった企業などには実習生の受け入れをやめさせたりしており、一時邸に失踪者数は減少。
ただし指導が行われたのはあくまで氷山の一角に過ぎず、問題の根幹は何も解決していないため、焼け石に水でしかありませんでした。法務省は「率直に言って遺憾だ。さらに分析しないと、何が原因か示せない」としていますが、当然ながら原因はこの外国人技能実習制度そのものです。
◆外国人技能実習制度はブラック労働と違法行為の温床
この問題を報じた朝日新聞は「賃金などがより良い職場を求めて失踪するケースが続出しているとみられている」などとトンチンカンな話を持ち出していますが、記事の最後には「パワハラやセクハラの被害を訴える声もあったという」「厚生労働省によると、監督指導した実習実施機関のうち7割に、実習生への賃金不払いや過重労働などの労働基準法違反があった」と「正しい原因」を記述しています。
この制度に関しては、あっせん業者が「実習生は基本仕事を休みません!途中で辞めません!マジメで素直です!残業、休日出勤は喜んで仕事します!」などという文言で外国人を奴隷扱いしていることは周知の通り。
実際に長野県の「レタス村」での中国人実習生への過酷すぎる管理に対して人権救済申し立てが行われ、アメリカ政府が外国人技能実習制度を人身売買と認識するのも頷かざるを得ない状況となっています。
そもそも「パワハラ」「セクハラ」に加えて7割で「賃金不払い」や「過重労働」といった労基法違反が発生しているのであれば、どこの国の人間であろうとそんな職場で働きたい訳がありませんし逃亡するのが当たり前。ここまで違法行為が常態化している以上、即刻制度自体を廃止するしかありません。
◆「外国人技能実習制度」というシステムの建前と本音
また朝日新聞は記事内で「『国際貢献』をうたう実習制度は、人手不足に悩む日本企業にとって割安な労働力の確保策となっている。一方で、来日する実習生の多くは『実習』よりも『お金稼ぎ』が目的だ」などと実習生にも非があるような書き方をしています。
しかし、元はといえば外国人技能実習制度が日本側にはまともに「実習」させるつもりもなく、安価な労働力を好き放題に使い倒すための「方便」でしかない以上、実習生側が実入りを求めることを非難できる筋合いはどこにもありません。
労働力が欲しいのであれば、最低でも日本人と同じだけの賃金と待遇を約束した上で雇用し、ブラックな労働はさせないというごく当たり前のビジネスを行えばいいだけの話。移民として正面から彼らを受け入れ、気持ちよく働いてもらうことがWin-Winの関係を築くことに繋がります。
そうした当たり前の賃金と待遇で雇えないのであれば、そのビジネスは既に破綻していますし、仮に国がそうした企業を支援するとしても、外国人の奴隷労働によって支えることは法的にも人道的に許されるものではありません。
発展途上国の外国人を人間扱いしないことによってこの恥ずべき外国人技能実習制度が成立しているわけですが、働きに来ている外国人たちは奴隷ではなくれっきとした人間だという話なのではないでしょうか?
外国人実習生の失踪急増、半年で3千人超 賃金に不満か:朝日新聞デジタル
梅田出版
売り上げランキング: 540,545
・関連記事
コンビニ各社が現代の奴隷制度である「外国人技能実習制度」に申請する方針と判明 | Your News Online
まさに現代日本の奴隷制度、外国人技能実習生に122時間残業で初の過労死認定 | Your News Online
完全に奴隷扱い、外国人技能実習生受入機関の国別比較採点表「国別の介護技能実習生のポテンシャル」が絶句ものの酷さ | Your News Online
「待遇は最低賃金で残業、休日出勤は喜んで仕事します!」、外国人実習生制度がもはや現代の人身売買に | Your News Online
新たな「奴隷制」になるのか?自民党が新たに外国人労働者受け入れ拡大の方針 | Your News Online