【1.5兆円】イギリスへの原発輸出が損失を出したら日本国民の税金で全額債務保証することが決定


Photo by Clint Lalonde

いったいそんな財源がどこに存在しているのでしょうか?詳細は以下から。


日立製作所がイギリスで進めている原発新設プロジェクトに関し、日立製作所の東原敏昭社長が採算の見通しが厳しく、着工の条件としている出資者の確保が難航することが見込まれることから、日本政府に支援を求めていたことをBUZZAP!が報じたのは昨年末のこと。

この支援要請に対し、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を固めました。政府系の日本政策投資銀行は出資による支援を行うほか、中部電力など電力各社も出資を検討する。総額3兆円規模に上る原発輸出が政府主導の「オールジャパン体制」で行われることになります。

そして極めて重要なことに、事故などによる貸し倒れに備えて日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する事を決定しました。もちろん債務保証の際につぎ込まれるのは私たち日本国民の税金です。

一度事故が起これば原発がどれほど大きな人的、経済的被害を出すかについては日本人なら誰でも知っている話ですし、海外でどれほど巨額な損害賠償請求が行われることになるのかは想像だにできません。

また、東芝の経営危機を招いた原発新設の事案は事故ではなく、子会社の米原発会社ウェスチングハウスの経営破綻に起因するもの。福島第一原発事故以降世界的に原発の安全性への規制は極めてコストの大きなものとなっており、工事遅延などが起これば訴訟に発展する可能性もあります。

営利企業が商行為の一環として、自らのリスクで原発輸出を行う分にはまだ理解ができますが、政府が全額債務保証を行わなければ銀行が融資しないプロダクトというのは資本主義的観点からは商品価値のないゴミでしかありません。

社会保障を極端に削らなければならない程に状況が逼迫している現代日本において、国民生活すら犠牲にし、政府が1兆5000億円にも上る可能性のある債務保証を行ってまで原発輸出に邁進する意味がどこにあるのでしょうか?

原発輸出:政府が債務保証 大手銀など1.5兆円融資 英で新設 - 毎日新聞

原発輸出の欺瞞――日本とベトナム、「友好」関係の舞台裏
伊藤正子 吉井美知子編著
明石書店 (2015-02-19)
売り上げランキング: 708,181

・関連記事
鳴り物入りの原発輸出、日立社長は「採算厳しい、政府は支援して」出資者集まらなければ中止も | Your News Online

日立が建設予定のイギリスの原発、日本政府が全額補償へ | Your News Online

財源はいったいどこに?日本政府が日立受注の英新設原発に異例の1兆円支援 | Your News Online

東芝の「サザエさん」スポンサーからの降板が正式決定、日曜劇場も | Your News Online

福一処理費用の見積もりが2倍の21兆円に、賠償費用の増額2.4兆円分は「昔から原発の電力を使ってきた」から新電力利用者も負担へ | Your News Online

福一原発事故の賠償金、国民全員から存在しない「事故に備えた保険料」の「積み立てるはずだった過去50年分」を徴収の方針 | Your News Online

テスラが半永久的に使用可能な屋根と一体化した太陽光パネル「ソーラールーフ」と家庭用蓄電装置を発表 | Your News Online

新電力の利用者、なぜか福一以外の「全原発の廃炉費用」まで負担させられることに | Your News Online