過小給付567.5億円への追加給付に掛かる総額が800億円に、厚労省の「毎月勤労統計調査」不正問題で



結局は抑制したはずの歳費よりも多くの税金が消えてゆく事になりました。しかも国家の重要な基幹統計への信頼を道連れにして。詳細は以下から。


厚生労働省が「毎月勤労統計調査」において、重大な不正を15年に渡って続けていた件で、統計の平均給与額を基にして算定される雇用・労災保険などの過少給付が計567.5億円に上ることが明らかにされました。

対象となるのは延べ1973万人及び30万事業所となり、厚労省は不正の始まった2004年に遡って不足分を支払う方針。ですが、もちろんそれだけの作業を無料でできるわけがありません。

1月16日にはこの追加給付のためのシステム改修や事務経費が数百億円かかることが明らかになりました。事務経費には人件費や相談窓口の委託料、郵送料が含まれており、追加給付に掛かる総額は800億円にまで膨れあがる見込みです。

この中で事務経費は2019年度予算案を組み替えて対応する予定ですが、雇用・労災保険の特別会計から捻出する方向でも検討されています。ただしその財源となる保険料は企業と労働者が支払ったもので、国家機関の不正の尻ぬぐいを事実上民間が負担して行うことには批判が出る事にもなりそうです。

結局15年掛けて567.5億円の歳費を不正に削減したところ、不正が盛大にバレて追加給付する事になり、削減した歳費より200億円以上多くの税金が注ぎ込まれる上に重要な国家の基幹統計への信頼が致命的に毀損されるという踏んだり蹴ったりの結果になりました。

故事成語の元になる寓話のような展開になってきましたが、果たしてこうした不正はこれで撲滅されるでしょうか?


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