日本の中央官庁は国家の根底を成す基幹統計すらまともに取っていない事が判明してしまいました。詳細は以下から。
◆極めて重要な基幹統計の半数近くに問題が発覚
厚生労働省が統計法で国の重要な統計と定められた「基幹統計」のひとつである「毎月勤労統計調査」で15年に渡って不正を行ってきた問題を受け、政府が56の「基幹統計」を再度点検した結果、延べ27の統計で「手続き上のミスなど」が見つかりました。
問題があったのは国土交通省が行っている「建設工事統計」で、事業者からの報告内容に誤った記載があり、公表した値が実態よりも大きかったことが明らかになりました。これを受けて政府は正確な値を確認したうえで、結果を訂正するとのこと。
加えて総務省の「住宅・土地統計」や、財務省の「法人企業統計」、文部科学省の「学校教員統計」など9の統計では集計されていない事項がありました。
さらに国土交通省の「建築着工統計」では、一部の都道府県の抽出方法が国が示している手順と細部で違っていました。また経済産業省の「商業動態統計」など16の統計では、手続き上の問題などが見つかりました。
◆国家の発表する数字が信用できないという致命的な事態に
政府は雇用保険などの給付に影響が及んでいる厚生労働省の調査のような問題はなかったとしていますが、残念ながらもはやそのようなレベルの話ではありません。
既に厚労省の勤労統計を巡る長年の不正によって日本の国力の根底を形作る基幹統計への信頼が大きく損なわれました。
そして今回の点検によってその基幹統計の半数近くに問題が発見された事で、名実ともに政府の発表する統計を数字通りに信用する事ができないという、先進国として極めて深刻な事態になってしまいました。
日本がこの失墜した信頼を回復するのに、いったいどれほどの労力と時間が掛かるのでしょうか?
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