全米での大麻合法化に1歩近づいたことになりますが、この先の道筋は平坦とは言えなそうです。詳細は以下から。
◆全米での大麻合法化法案、下院司法委員会で承認
ロイター紙、ABCニュースなどの報道によると、アメリカ合衆国下院司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長が主導する大麻合法化を主とする包括的法案「Marijuana Opportunity Reinvestment and Expungement(MORE)」が現地時間11月20日に同委員会で承認されました。
法案への賛成は24票で反対は10票だったとのこと。今後下院総会で承認されれば上院に送られることになります。ただし、現時点では上院での承認は難しい見通しとのこと。
また、トランプ大統領が大麻合法化に積極的ではないため、仮に上院で承認されたとしても法案にサインをしない可能性も高いと考えられています。
◆大麻合法化の包括的法案とはどんなものか
この法案は大麻を非犯罪化し、米国の規制物質法から大麻を除外するという名実共に大麻の合法化を意味するものですが、それだけには留まりません。
全米で販売される大麻に5%の「大麻税」を掛け、その税収で大麻関連で逮捕された人々への法律扶助や職業訓練、また大麻関連の個人ビジネスに対する小規模ローンなどを行うとのこと。
また大麻の個人使用などの微罪での犯罪歴を消去し、暴力事件を除く大麻関連の犯罪で服役中の囚人の減刑なども行われる模様です。これは失敗に終わった「ドラッグ戦争」で大麻に絡んで犯罪者扱いされた人々への救済措置との位置づけです。
加えてアメリカ合衆国退役軍人省と提携する医師が、PTSDや疼痛や不安の管理のために退役軍人に医療大麻を用いた治療を推薦することが認められるようになります。
◆アメリカ人の大多数が大麻合法化に賛成
現在アメリカ合衆国では、11の州及び特別区でレクリーション目的の大麻が合法化され、33の州で医療大麻が合法化されています。
またニューズウィーク紙が掲載した最新の世論調査の結果によると、アメリカ人の実に91%が医療もしくはレクリエーション用大麻の合法化に賛成しています。
アメリカ合衆国全土で大麻合法化となれば、一部の州で合法となっている現在とはインパクトが大きく異なることは間違いなし。大麻ビジネスが大きな注目を集めている現状を考えれば、周辺国での合法化ドミノが発生する可能性も十分にあり得そうです。
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