専門家会議の議事録は今後も作成しないと西村経済再生相が明言、なぜか「議事録と遜色ない」議事概要作成へ



だったら議事録を作ればいいだけのはずですが…。詳細は以下から。


◆専門家会議の議事録は今後も作成せず
西村経済再生相は6月7日の記者会見で、新型コロナウイルス対策を話し合う政府の専門家会議について、今後も議事録は作成せず、議事概要に発言者を明記したもののみを公表することを明らかにしました。

政府はこれまで専門家会議について、発言者や詳細な発言内容を記した議事録ではなく、発言者が特定されない議事概要を作成し、公表してきました。これは政府が専門家会議を議事録の作成が義務づけられる「政策の決定または了解を行う会議」には当たらない懇談会と位置付けたとしているため。

ですが、これでは100年に一度の世界的なウイルス禍で日本が国としてどのような対応を行ってきたかを将来検証し、次のウイルス禍の際に役立てることができなくなるため、野党や国民からは議事録を作るよう求めるこえが挙がっていました。

ですが政府は、現状の議事概要でも発言内容を丁寧に紹介しているとし、発言者を加えれば議事録と遜色ないと今後も議事録を作成しない考えを明らかにしました。

一方で、西村経済再生相は過去の会議については遡って発言者名を公開しない方針も示しました。これは「(専門家会議の)メンバーの総意として名前を特定しない議事概要の形にしてほしいということだった」とのこと。

過去開かれた15回全ての速記録を保存すると述べ、速記録がない1回目と3回目は録音などを基に同様の文書を作成するとしましたが、春節の時期から4ヶ月半あまり、新型コロナ第1波に対して誰がどのような進言を行い、実際の政府の対策として採用されてきたかという極めて重要な記録が闇に葬られることになります。

◆東日本大震災で議事録を残さなかった民主党を激しく批判した自民党
ところで2011年の東日本大震災の際、民衆党政権は震災関連の10の会議で議事録を残しておらず、自民・公明ら野党から厳しい批判を受け、事後的ながら議事録を作成することとなりました。これにより「歴史的緊急事態」での議事録作成が義務付けられるよう公文書管理法のガイドラインが見直されています。

当時、自民党の三原じゅん子議員は「政策決定の正しい記録、これを残せないのであれば、民主党は与党どころか責任政党の名に値しない」と一刀両断。



ヒゲの隊長こと佐藤正久議員も「ふざけるな!」「(議事録を作らなかったのは)政府の怠慢であり責任逃れ」と激怒しています。



世耕産業相は、議事録が正確に作成されなければ「隠蔽や偽装が行われる」懸念があると極めて重要な指摘をしています。



議事録を作成しないと決めた安倍政権の今回の対応は完全に巨大なブーメランとして突き刺さっており、事後的にせよ議事録を作成した「悪夢の民主党」以下ということになりそうです。

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