医療大麻がもたらすものが何か、研究が大きく前進したことになります。詳細は以下から。
◆大麻の成分「CBD」っていったいどんなもの?
カナダで大麻が合法化され、アメリカ合衆国でも大麻合法州が増え続けていますが、そんな大麻の使い道として世界中で広く関心を集めているのが医療大麻です。
医療大麻は韓国やタイ、レバノンなどでも合法化されており、終末医療でのターミナルケアをはじめ、各国で研究が続けられています。
そんな中でも大麻から抽出される有効成分のひとつ「CBD(カンナビジオール)」には向精神作用がないことから多くの国で取り締まり対象となっておらず、サプリメントや健康食品のようにカジュアルに販売されています。
CBDは日本でも大麻取締法の対象にはなっておらず完全に合法。楽天でも販売されており、ドン・キホーテには既にCBDコーナーが開設されていたりもします。
このCBDの「効能」としてよく謳われるのが「ストレスの軽減」や「精神の安定」「抑鬱状態の改善」など。ハイにならずに気分を沈静させ、イライラやストレスを解消しつつ眠りやすくなるため、仕事などで疲れている時などに適しているとされています。
◆CBDに1滴で脳の血流を増大させる効果が確認
そんなCBDに、わずか1滴で劇的に脳の血流を増大させる効果があることを示した研究がジャーナル「Journal of Psychopharmacology」に報告されました。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの科学者らは15人の健康な若者に600mgのCBDと対照実験のプラシーボを経口投与し、MRIを用いて脳の酸素レベルの変化を計測しました。
その結果、わずか1滴分のCBDの投与によって脳の記憶と学習、感情を司る海馬で著しい血流の増大が見られ、また同時に社会的行為や意思決定に重要な役割を果たす前頭前野の眼窩前頭皮質でも血流が増えていました。
「CBDによって海馬をはじめとした脳の記憶処理に重要な役割を果たす部位の血流が増大することを発見したのは、知る限りでこの研究が初めてだ」と研究を主導したMichael Bloomfield博士は指摘します。
これまでもCBDには不安の処理やうつ病、てんかん、慢性痛などへの効果が研究で示されており、記憶力の強化も指摘されてきました。今回の研究結果は記憶と深い繫がりのある海馬での血流が大きく増えたことも示しており、記憶力との関係にもさらなる光が当たったことになります。
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