【歴史戦】ベルリンの「少女像」期限なしの恒常設置へ、日本側の激しい撤去要請を受け



日本政府と自称保守界隈の華麗過ぎる自爆となってしまったようです。詳細は以下から。

◆ベルリンの「少女像」恒常設置へ
ドイツの首都ベルリン市、ミッテ区の公有地に設置された慰安婦を象徴する「少女像」について、地元ミッテ区議会が現地時間12月1日、設置の継続を支持する決議を賛成多数で可決しました。

ミッテ区はこの決議を受け、一時は許可を取り消した少女像の継続的な設置の許可に転じる見通しです。

決議文では日本政府が謝罪した「河野談話」を引用し、像は戦時中の性暴力についての議論をするきっかけとなるとしています。

また1年とされている設置期限について「恒常的な設置に向けた解決策を探すべきだ」との文言が盛り込まれました。

決議を提出した左派党の議員は普遍的に戦時中の性暴力に反対する「より広い文脈で修正」した上で、恒常設置をすべきだと語っています。

◆日本政府と自称保守界隈による「少女像」の撤去要求
ベルリンの「少女像」に対し、日本政府と自民党、自称保守界隈は激しく反発してきました。

2020年9月28日の除幕式に対し、加藤勝信官房長官は記者会見で「政府としては撤去に向けてさまざまな関係者にアプローチしていきたい」と言及。また茂木敏充外相は10月1日にドイツのハイコ・マース外相とのテレビ会談で撤去への協力を求めていました。


駐独日本大使館を通じて撤去への働きかけを行ってきた外務省も、除幕に先立つ10月21日には「女性を『性奴隷』にした事実はない」などとする慰安婦問題の見解をドイツ語で公式HPに掲載しています。

11月20日には自民党有志議員がミッテ区が一度は示した像の撤去方針を支持する声明をメールで送っています。これは稲田朋美元防衛相や高鳥修一衆院議員、青山繁晴参院議員らが呼びかけたもので、82人の自民党所属の国会議員が賛同しました。

これに呼応したのは愛知県名古屋市の河村たかし市長。「像は芸術作品ではなく政治的主張を表しており、このままでは日独友好関係に大きな損害となる」として撤去を要請する書簡をミッテ区長当てに送付しています。

民間では自称保守界隈の「なでしこアクション」が「ベルリン市内に建てられた「慰安婦像」の即時撤去を求めます。」とするウェブ署名を集めており(3000人も集まっていませんが…)、現地への視察も行うなど、活発な撤去運動を繰り広げています。

◆「少女像」への認識のずれと歴史修正主義との批判
ですが、当然ながら日本側のこうした苛烈な撤去要請運動はドイツ側の理解を得られません。

ドイツをはじめとした海外では主に、この「少女像」は単なる日本軍の韓国人女性に対する従軍慰安婦問題の糾弾ではなく、戦時下の女性に対する性暴力の記憶の象徴として扱われています。

ミッテ区長も10月中旬のプレスリリースでミッテ区役所は時代、場所、行為者を問わず、女性への性暴力、特に戦時下における性的暴力を非難しますとしており、慰安婦問題に限定して受け取ってはいません。

ミッテ区が一度は撤去命令を出した理由も、碑文の内容の旧日本軍に限定した文言に「事前に通知がなかった」ためとしており、「日韓が折り合える妥協案を望みます」と述べるなど、設置自体に問題があるとは認識していないことが分かります。

つまり日本政府や地方自治体、自称保守界隈の団体が従軍慰安婦問題を否定したいあまり「少女像」の設置に反発すればするほど、過去の戦争での女性に対する性暴力の存在を否定し、自らの加害者としての記憶を隠蔽しようとする歴史修正主義者として扱われることになります。

◆軋轢を生み続けてきた日本政府と自称保守界隈の「歴史戦」
今回のような、「歴史戦」は従軍慰安婦問題を巡って以前から日本政府や産経新聞、自称保守界隈が繰り返してきたもので、2018年にはそこに徴用工問題も組み込まれました。

従軍慰安婦問題を巡る「歴史戦」では少女像を巡り、サンフランシスコ市議会で自称保守界隈の論者が元従軍慰安婦の女性を罵倒して「恥を知れ」と指摘された上に大阪市がサンフランシスコ市との姉妹都市関係を解消するなどの軋轢が生じました。


これに加え、自称保守界隈の複数の論者らが世界各地の少女像に狼藉を働くといった由々しき事態にまで発展し、国内外で顰蹙を買っています



今回ベルリンで日本政府と自称保守界隈の「歴史戦」が日本の評判に泥を塗りつつまたひとつ黒星を重ねたことになります。

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