日本政府にも何ら打診のないまま、独断で日本未承認のワクチン提供を提案したことになります。詳細は以下から。
◆バッハ会長が「中国製ワクチン提供」発言
3月12日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、バッハ会長が希望する選手や関係者に新型コロナの中国製ワクチンを提供する考えを示しました。
バッハ会長は中国五輪委員会から「東京大会と北京大会の選手や関係者に対して中国製ワクチンを提供する」申し出があったとし、「IOCが費用の負担を行う」形でこのワクチンを提供する考えがある発言。
◆組織委も日本政府も「聞いていない」
これを受けて組織委の武藤事務総長は「事前に話は全く聞いていない。ワクチンの接種は日本政府がやっていることなので、組織委員会としてはコメントする立場にない」と発言。
組織委には話が通っておらず、ワクチンの接種にも関わっていないとしました。
そして当の日本政府も、3月12日の衆院厚生労働委員会(冒頭の立民・川内議員の質疑)で川村内閣審議官は中国製ワクチン提供は日本側に一切事前連絡はなく、知らされていなかったと答弁。
つまり、IOCは東京五輪の組織委どころかワクチン接種を統括する日本政府にも話を通さずに中国製ワクチンを提供すると表明したことになります。
当然中国製ワクチンは日本では未承認のため国内では打てず、どこで誰が打つと想定しているのか不明。打つ場合の責任の所在も不明です。
結局のところ、五輪開催に向けたIOCのなりふり構わぬ強硬姿勢ばかりが明らかになった形といえそうです。
【12:25追記】
丸川五輪担当相もバッハ会長の中国製ワクチン提供について「事前にうかがっておらず、調整もなかった」と発言。本当に日本政府のどこにも一切事前がない状態での独断であることが確定しました。
なお中国製ワクチンが未承認であることに関し「承認された国での供給について話しているとの認識で、承認された国で判断されること」としており、五輪開催に対する日本政府の「ワクチン接種を前提としない原則は変わらない」とする姿勢も強調しています。
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