事実婚が同性カップルでも成立するという判断が最高裁で確定しました。詳細は以下から。
最高裁第2小法廷は3月17日付で、婚姻に準じた事実婚(内縁)が同性カップルの間でも成立するかどうかが争われた慰謝料訴訟の上告審で、不貞行為をした元交際相手の上告を棄却しました。
「(2人は)婚姻に準ずる関係にあった」として同性カップル間の内縁関係の成立を認め、2020年3月の元交際相手に慰謝料の支払いを命じた東京高裁判決を最高裁が追認した形です。
これにより「同性カップル間でも内縁関係が成立する」との司法判断が最高裁で確定したことになります。
◆一審では「憲法24条は同性婚を否定していない」と宇都宮地裁が初判断
この訴訟についてはBuzzap!で以前も取り上げており、2019年9月に宇都宮地裁は「実態があれば、内縁関係に準じた法的保護が受けられる」と初の判断を示していました。
裁判では「婚姻を男女間に限る必然性があるとは断じ難い状況にあり、同性カップルにも一定の法的保護を与える必要性は高い」と指摘。
その上で婚姻が「両性の合意のみに基づいて成立する」とした日本国憲法24条についても検討し、「制定当時は同性婚を想定していなかったにすぎず、否定する趣旨とは言えない」と述べています。
この訴訟はこの訴訟はアメリカ合衆国で結婚し、日本国内で同居していた同性カップルの30代女性が、「パートナーの不貞行為で破局した」として相手の女性らに約640万円の損害賠償を求めていたもの。2人が約7年間同居しており、アメリカで婚姻登録証明書を取得した上国内で結婚式も挙げたことから「内縁関係(事実婚)と同一視できる生活関係にあり、法的保護に値する利益が認められる」と慰謝料などの支払いを命じていました。
近年、事実婚でも法律婚と同等の権利を受けられる体制が整いつつありますが、生活関係上での実態があれば同性カップルも事実婚が認められるという非常に大きな判断が確定したことになります。
先日の札幌地裁での「国の同性婚禁止は違憲」という初の判断と共に、同性カップルが法的に認められる大きな一歩と言えそうです。
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