五輪開会式でドラゴンクエストを含むすぎやまこういち氏の楽曲が使用されたのは安倍前首相の強い要望によるものだと米Daily Beastが報じています。
東京五輪開会式の直前、ミュージシャンの小山田圭吾氏や元ラーメンズの小林賢太郎氏らが過去のいじめやホロコーストやゆといった言動を理由に立て続けに辞任、解任する事態となっていました。
そんな中、選手入場の際に先頭を切って演奏されたのがすぎやまこういちの楽曲「ドラゴンクエスト」の「序曲:ロトのテーマ」でした。
◆反LGBTや歴史修正主義、すぎやまこういちとはどんな人物か
すぎやま氏は2015年、LGBT叩きを繰り返す自民・杉田水脈議員の「同性愛者には生産性がない」「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」とする発言を擁護し、一緒に笑っていたことが海外でも報じられています。
Politician Made Anti-LGBTQ Comments On Dragon Quest Composer's TV Show
加えて南京大虐殺否定から、従軍慰安婦の否定、日本の戦争責任否定などの極右的な歴史修正主義史観を持つことでも知られており、大会基本コンセプトの「多様性と調和」とは真逆の位置にいる人物です。
◆すぎやま楽曲「安倍案件」としてごり押しされた?
実は、6月中には国立競技場で「ドラクエの音楽が聞こえた」とするツイッター投稿もあり、本件を指摘したネット記事もあったものの、大きく問題視されないまますぎやま氏の楽曲は開会式で使われました。
小山田氏や小林氏がダメならすぎやま氏もNGのはずが、それでも使用されたのは「安倍案件」だったからだとDaily Beastは「Japan's Ex-Prime Minister Is Behind This Hateful Olympic Scandal(ヘイトまみれの五輪スキャンダルの裏に安倍前首相がいる)」とした記事で指摘しています。
Daily Beastは、匿名を条件に取材に応じた組織委の職員が「19曲のゲーム音楽の最初にすぎやま氏の『ドラクエのテーマ』が流れたのは、安倍前首相がそれを最も重要だと考えたからだと言われた」との言葉を報じています。
加えて、組織委ですぎやま氏の反LGBTQや歴史修正主義史観が大会にそぐわないと指摘された際も、武藤敏郎事務局長が「安倍前首相の要求だから、やれ」と押し通したとのこと。
安倍前首相がすぎやま氏の楽曲にこだわったのは、似た思想を持ち、以前から個人的な付き合いがあるだけでなく、すぎやま氏が安倍前首相に800万円を超える献金を長年にわたって行ってきたからだとしています。
Daily Beastは2013年のフライデー「ドラクエ作曲者「私財投じて安倍首相を応援する」理由」としたすぎやま氏のインタビュー記事に触れています。
またDaily Beastは開会式のプレス向け資料の制作に携わった人物も取材。そこには楽曲は記載されていたものの作曲者名は伏せられており、「尻を半分隠した」状態で経歴を探られるのを防ごうとしていたと証言しています。
これまで国内で「安倍案件」とされた事件や事案の現状を考えれば、本件の真偽を安倍前首相が明らかにする可能性には疑問符がつきます。
実際にDaily Beastが安倍前首相にコメントを求めたところ、回答がなかっただけでなく、当該記事を書いた記者のツイッターまでブロックされたとのことです。
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