「尻を叩く」おしおきは、虐待と同レベルに子供の脳の発達を妨げる



当たり前のおしおきだったはずですが、思っていた以上に子供を傷つけていたことが分かってきています。詳細は以下から。


ハーバード大学がジャーナル「Child Development」に発表した研究によると、「尻を叩く」おしおきがこれまで考えられてきた以上に子供の発達を妨げていることが分かりました。

研究者らは体罰として尻を叩くことで、児童虐待に似た形で子供の脳の発達を変化させるとしています。これには脅威の認識を司る部位も含まれ、子供たちの意思決定を直接変えてしまいます。

こうした変化は子供のそれ以降の一生に及ぶ深刻な影響を与える可能性があるとのこと。

研究に携わったKatie McLaughlin准教授は「家族から体罰を受けてきた子供は不安やうつ、行動問題などの心の病にかかりやすくなるが、多くの人は尻を叩くことを暴力だと捉えていない」と指摘しています。


研究では尻を叩くことを脳の発達という視点から神経生物学的に調査。40人の尻を叩かれてきた子供の脳を、107人の尻を叩かれてこなかった子供と比較。

子供たちに過去に尻を叩かれた経験があるかを聞き取ると同時に、身体的、性的虐待が行われていなかったかを調査しました。

すると頻繁に尻を叩かれてきた子供は「恐い顔」に対する神経活動が大きいことが示されました。これは深刻な被虐待児にも見られる反応ですが、両者の脳の活動には違いが見られなかったということです。


つまり脳の発達という視点からすれば、尻を叩くことも虐待も同じように子供の脳に影響を与えることになります。McLaughlin准教授はこれを「暴力の程度ではなく種類の問題だ」と指摘します。

もちろん尻を叩いただけで児童虐待と決めつけられるわけではありません。ですがその影響について、叩く前にもう一度考えてみた方がよさそうです。

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