沖縄に大量に流れ着き、漁ができなくなっていることが報じられた海底火山由来の大量の軽石。
ですがこの件、沖縄だけ、漁業だけで済まないかもしれません。詳細は以下から。
小笠原諸島の海底火山の噴火により、沖縄に大量の軽石が漂着している問題で、NHKは県内の約750席の漁船が漁に出られなくなっていることを報じました。
県はこれまでに12の漁港と7つの港湾、1つの河川に軽石が流れ着いていることを確認。細かくなった軽石がエンジンに入って詰まる危険性があることから多くの船が出漁を諦めなくてはならない状況です。
すでに10月23日には沖縄本島の南で巡視艇「しまぐも」が軽石を吸い込んで航行不能に陥る被害も。
原因となった噴火は戦後最大規模とのことで、琉球大学の加藤祐三名誉教授は「人間が撤去するのはやれないと思う。自然現象として1年から2年してきれいになると思う」とコメントしています。
これは逆に言えば最大で2年程度は軽石の被害が出続けるということになり、その間は漁に出られないだけでなく、巡視船を含む船舶が安全に航行できなくなる可能性がでてくるということ。
また範囲も沖縄だけには限りません。海洋研究開発機構が行ったシミュレーションでは、今後九州や本州にも軽石が流れ着く可能性があるとのこと。
加えていけすの鯖が軽石を飲み込んで大量死したことも報じられており、養殖業にも大きな影響が出てくることも危惧されます。
現在小笠原諸島を中心に火山活動の活発化が報じられていますが、噴火が続いて軽石が放出され続ければ、日本近海は航行が危険な海域となる恐れがあることになります。
そうなれば海産物の不足や高騰が起こるのはもちろんのこと、タンカーを含む多くの船舶の航行に影響を与えることになりかねません。
結果として原油や各種輸入品が不足し、値段が上がる可能性も十分にあり得ます。原油はガソリン代や電気代、ガス代などを直撃することになり、海運されてきた農作物や各種製品、原料などが滞れば物価の高騰や産業の停滞にもつながりかねません。
現時点ではあくまで可能性のレベルではあるものの、震災後やコロナ渦中に何が起きたかを考えれば、余裕のあるうちに動いておいた方が無難。
いざという時に密になって、日用品や保存食に行列するより早めの行動が身を守ることにつながりそうです。
【10月29日追記】
11月末に黒潮に乗った軽石が関東に到達する可能性があるとの予測が発表されました。
漁業や海運などにどれだけの影響が出るのか、しっかり見極める必要がありそうです。
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