信心深さは人生の満足に繋がらないと明らかに、「信じる者は救われる」わけではありませんでした



自分が満たされたいという理由で宗教を信じるのは止めた方がよいのかもしれません。詳細は以下から。


ジャーナル「Personality and Individual Differences」に掲載された研究によると、宗教的な熱意と人生の満足には因果関係が見られませんでした。つまりより宗教的になっても、より人生が満たされるとは限らないということになります。


過去の多くのメタ分析では、信心の深さとその人の人生への評価が正の関係にあることから、信心深い人ほど人生を良きものと感じていると結論づけてきました。

ですが本研究を主導したMohsen Joshanloo博士は、こうした研究は個人内での因果関係について述べていないと批判。個人間の差と個人内の差を分けて考えてこなかったと指摘します。


研究では個人内の変化に関して因果推論の枠組を提供する方法論のRandom-Intercept Cross-Lagged Panel Model (RI-CLPM) を用い、信心の変動と満足度の変動を調べました。

研究では、アメリカ合衆国内の3つの世代に及ぶ、平均年齢47歳の4167人の中年層のデータを使用し、その総年数は20年に達しています。

被験者らは人生、健康、仕事、パートナーとの関係、子供との関係の満足度を測定され、同時に一般的な宗教性や宗教的アイデンティティを含む、宗教性についての6種の測定を行いました。


信心深い人とそうでない人の間では、結果は過去の研究と変わりませんでした。一般的に信仰心のある人は人生への高い満足度を示しており、小さな正の相関関係が認められました。

ですがそれぞれの個人の内部で見ると、信心深さと人生の満足度に因果関係はありませんでした。つまりある人の信心が強くなっても、その後の人生がより満足できるものになるとは限らないわけです。


もちろん病気や度重なる不幸などで宗教にすがるしかない状況もあり、満足ではなく真理を求めて宗教を志す人もいます。

ですが熱心に神や仏に祈り、教えに従った生活や厳しい修行をしたとしても、人生が満たされるかは別問題という身も蓋もない結果が示されてしまいました。

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