石炭輸出禁止をインドネシアが発表、電力価格や供給に混乱も



物不足、原料高の流れが止まりません。長引けば価格や供給に響くことにもなりそうです。詳細は以下から。


インドネシア政府は、国内発電所の石炭備蓄が少なくなっていることを理由に1月1日、石炭の輸出禁止を発表しました。

エネルギー省の高官によると、輸出禁止しなければ約20ヶ所の発電所が稼働停止に追い込まれるとのこと。

世界的な電力危機によって燃料価格上昇が上昇するなかでの輸出禁止は、主要輸出先の中国やインドを中心にエネルギー調達上の混乱を引き起こす可能性があります。


ケプラーの船舶運航情報によると、2021年のインドネシア産石炭の輸出は、中国、インド、日本、韓国で73%を占めており、禁止が長期化すれば日本でも電力価格の上昇や電力逼迫といった影響が出る可能性も。


禁輸発表時点で、インド向け石炭価格は1トンあたり最大6.73ドル上昇しているとのことで、まだまだ寒い季節が続くタイミングで不安な状況となっています。

なお、インドネシア政府は決定について1月5日に再評価する予定としており、ここで何らかの方向転換が行われるかが大きな鍵となります。

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