22年の出生数一気に76万人台か、前年比5万人減で過去最少を大幅更新へ



少子化に歯止めが掛からないことは多くの日本人が既に知るところですが、少子化の加速も止まりません。

5年前の政府の予測すらはるかに超えるスピードで日本の子供が減り続けています。


22年上半期の出生数が初の40万人割れで過去最少


厚生労働省は8月30日、2022年上半期の「人口動態統計」の速報値を発表しました。

それによると、2022年上半期の出生数は前年同期比で5.0%少ない38万4942人でした。これは上半期の速報値としては2000年以降最も少なくい数字で、初めて40万人を下回りました

22年上半期の出生数は、前年同期比で微増だった1月以外の5ヶ月間で前年を下回っています。これにより、最少だった2021年上半期の40万5029人より2万87人減少し、過去最少を更新しました。

単純計算で考えると、2022年の出生数は77万人を割り込み、76万人台にまで落ち込む可能性があります

なお、速報値は在日外国人や在外日本人の数が含まれている数字です。概数や確定値は日本に住む日本人の数のみが集計されるため、出生数はより少なくなる可能性があります。

少子化が加速、5年前の推計より10万人減



国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では、2022年の出生数は約87万2000人と推計されています。

つまり、今年の出生数はわずか5年前の推計よりも最大で10万人程度少なくなることになります。

「日本の将来推計人口」では出生数が80万人を割り込むのは2033年とされていましたが、11年前倒しで割り込みました。

なお、このまま行くと今年の出生数は推計の2036年(77万4000人)から2037年(76万6000人)頃の総定となり、実に15年前倒したことになってしまいます

キヤノングローバル戦略研究所の「出生数50万人割れ、政府予想より20年前倒しとなる可能性」とする記事は、出生数が70万人を割り込むのが2031年と推定しています。

しかし、実際問題として少子化の加速度はこの予想すら超えて進行しているといえそうです。

少子化が加速すれば、それだけ社会保障制度の将来性が危うくなることはいうまでもありません。果たして日本社会はこのハードランディングにどこまで耐えられるのでしょうか。

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